「調査結果の不適性使用でない」
/「5分診療」のデータで原医療課長
日本医師会の藤原淳常任理事(中医協委員) は7月9日の中医協総会で、診療所や中小病院で反発の強い外来管理加算の「5分要件」についてエビデンスに疑問を投げかけた。藤原委員は、2007年7月に厚生労働省が実施した「時間外診療に関する実態調査」に基づき外来管理加算の議論のための資料を作成したのは、「調査結果について、目的と異なる不適正な使用ではないか」と指摘。これに対し厚労省保険局医療課の原徳壽課長は「診療報酬改定の検討資料にするとの文章も送付しており、不適正な使用とは考えていない」と述べ、名目は時間外診療の調査とはいえ、改定全体の基礎資料にするための調査だったと説明した。
調査を委託されたみずほ情報総研が医療機関に送付した文章では、診療報酬改定全体の基礎資料にすると明記されていなかったことについて、原課長は「医療課が送付した調査への協力依頼の文章と、みずほ総研の文章の整合性をチェックしなかったことについてはおわびしたい」と述べた。
それでも藤原委員は納得せず、「なぜ5分になったのか不思議だ」と述べ、5分要件にエビデンスがないと指摘。原課長は「調査データは財政効果を見るために使ったが、5分要件を調査データに基づいて決めたわけではない。中医協では、丁寧な問診をするのに必要な時間はおおむね5分程度ではないかとの議論だった」と述べた。
この問題に関して、対馬忠明委員(健保連専務理事) は「調査内容までは分からないが、外来管理加算の5分要件は再診料との関連で再三、議論した。1号側も2号側も苦渋の決断をし、最終的には公益委員が判断した」と述べ、5分要件は中医協で十分に議論を尽くした結果との認識を示した。(7/10MEDIFAXより)