療養型老健の指定、全国で3施設
/6月末時点でメディファクス調査、多くは様子見
療養病床再編の受け皿施設として5月に創設した介護療養型老人保健施設の指定を受けたのは6月30日現在、全国で3施設であることがメディファクス調査で分かった。いずれも2008年度からの療養型老健の創設を見込み、4月に通常型老健の指定を受けていた。各都道府県は年度内に転換を予定する医療機関は数件にとどまると見ており、多くの医療機関が「様子見」の状況だ。
療養病床再編に当たって転換の対象となる介護療養型医療施設は、06年10月1日現在で3029施設。メディファクスが全都道府県の担当課を対象に実施した調査によると、6月末現在で療養型老健の指定があったのは北海道、広島、福岡の各1件で、44都府県はゼロと回答した。
今回の調査では比較的小規模な医療機関が転換する傾向がみられた。介護療養病床の介護報酬(要介護5、多床室) は病院1322単位、診療所970単位に対し療養型老健は1073単位(療養体制維持特別加算含む)。都道府県は「療養型老健の単位数は診療所より高い。転換意向を持つ診療所は多いようだ」(広島)、「大規模病院は転換で報酬が8割程度になるとも言われる。経営的に厳しいとの声が多い」(京都) としている。
一方、08年度内に転換を検討している医療機関は5件(岡山)、1件(長崎、大分、沖縄) など、各地で1ケタ台。東京は2施設が通常型老健に転換したものの、施設要件や報酬面から療養型老健への移行を見合わせているという。都道府県では、介護療養病床廃止の11年度末に転換が殺到するとの見方が広がっている。(7/14MEDIFAXより)