地区医師会との懇談会を開催 ご出席とアンケートのご協力を  PDF

 協会は23年度の地区医師会との懇談会を11月よりスタートし、10地区医師会と開催した(12月25日現在)。今年度は「社会保障制度をめぐる差し迫った課題 医療DX・保険証廃止・第8次医療計画等を中心に 」をテーマに会員と意見交換している。ぜひご出席いただき、忌憚のないご意見をお寄せいただきたい。併せてアンケート「あるべき医療のデジタル化に向けて」へのご協力をお願いしたい。
 
綴喜医師会と懇談
11月11日 ウェブ会議
ネット環境不十分な地域
セキュリティ対策に不安

 協会は綴喜医師会との懇談会を11月11日にウェブで開催し、地区から7人、協会から6人が出席した。安田美希生会長の司会で進行。冒頭、安田会長から「本日は活発な議論を期待している。いろいろな意見を出していただきたい」とあいさつがあった。鈴木理事長のあいさつの後、かかりつけ医制度や診療報酬改定、医療DXについて意見交換した。
 地区からは、かかりつけ医制度が経済産業界中心で議論されており、主役である患者が置き去りにされているのではないかと問題提起があった。患者にとってかかりつけ医機能とは、いつでも気軽に話を聞いてもらえて相談できる存在で、医師は診療報酬で保障されているから対応できる。かかりつけ医と専門医との連携が求められているが、連携強化診療情報提供料は算定要件に「紹介元の求めに応じて」「どちらかがかかりつけ医機能を有する」とハードルがある。これに関して地区からは、「紹介後にかかりつけ医と専門医が文書で情報交換した場合にも点数が適用されてこそ、面としてかかりつけ医機能を高められる。協会にはこれらを改善する観点で国へ診療報酬改定の要請をしてほしい」との意見が出された。協会は意見に共感するとした上で、全国医療情報プラットフォームができると、これらが算定できなくなる可能性を指摘した。
 医療DXでは地区から、日本のIT技術者の不足とIT業界の慢性的な長時間労働が指摘された。さらに、山間地域ではネット環境が不十分でメールの送受信だけでも大変なことや、台風や落雷時には電話回線もつながりにくくなる現状が紹介され、都会の医療機関と同等に患者の個人情報が守れるのかと不安視する声が上がった。協会は、「病院では医療DXの対応に5 6億円の投資が必要になるが、国はセキュリティに責任を取らない。問題が起きても、病院と業者で責任を取るとなっている。インフラは国の責任で行うべきだ。医療機関のセキュリティ対策は立入検査の対象になっているので注意が必要」と応じた。
 最後に地区からは、「会員の声を吸い上げ、国に堂々と言ってもらえるのが協会だ。医療現場の困難な状況を示して、国へしっかり要請してほしい」と期待が寄せられた。

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