医界寸評  PDF

 全国主要路線バス運行状況調査(帝国データバンク)では、127社の8割ほどの事業者が減便などを行い、全国で1年間に8600㎞余のバス路線が廃止されたと報じられた。地方では利用者減もあるだろうが、最大の理由は人手不足。都市部も例外ではない。路線バス事業自体を止める会社まで現れている。運転手確保に自治体まで乗り出しているところ、連節バスを導入して一度に運べる人数を増やして対応しようとしているところ、自動運転の利用に向かうところもあるようだ▼地方の鉄道でも、運行本数の削減が起こっている。本数が減り、不便になり、利用者が減りの悪循環に陥らないといいのだが。一方で廃線を検討したものの、BRT(バス高速輸送システム)転換時の運転手確保が問題になり、存続することになったところもある。トラック輸送も同様で、フェリーの利用や鉄道輸送への転換などに取り組んでいる▼そこに2024年問題、働き方改革が追い打ちをかける。今まで依存していたやり方が通用しなくなる▼医療界も同様である。特に大学から医師の派遣を受けている病院や救急現場はどうなるであろう。研究を自己研鑽とされては、大学病院医師にはたまらないであろう。その2024年が間もなく来る。良いお年をと言いたいところだが、どうなることか気が重い。(門雀庵)

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