乗り鉄ドクの趣楽悠遊 vol.9 村上 匡孝(綴喜)  PDF

しまかぜ 近鉄が誇る観光特急(近畿日本鉄道)

 青い空と青い海、白い雲と白いさざ波をイメージした、近鉄が誇る旗艦トレインが「しまかぜ」です(写真1)。伊勢志摩・賢島まで誘う観光特急で、大阪難波から、京都から、名古屋から、往復する多くの編成があります。今回は京都から近鉄吉野行き特急で、橿原神宮に参詣してから、大和八木で、しまかぜに乗りました(写真2)。
 1号車と6号車、前後両端はハイデッカー構造の先頭車で、大きなガラスの迫力ある前方(後方)展望が楽しめます。鳥羽から賢島までの区間を過ごすカフェ車両は最高。大きな窓に向かって座り、景色を堪能しつつ舌鼓を打ちます。
 賢島から戻る帰りのしまかぜが狙い目。列車の入線を待って真っ先に乗車してカフェに直行してファーストオーダーするのです。空いているし、注文すればすぐに来ますし、暫し海を眺めながらのひとときは筆舌に尽くしがたい。名物の海の幸味噌ラーメンで〆しめとすれば、後は居心地の良いシートが心地よい眠りに誘い込む、プレミアムシートでの爆睡が待っています。列車の心地よい速度、線路の勾配とカーブ、レールの継ぎ目の音と振動、全てf波ゆらぎなのです。
 往路の実況です。乗車後はカフェ席に座って名物の「海の幸ピラフ」をいただきます。日本酒との相性も良い、紀伊半島横断の車窓を眺めながらの昼食。桜の季節なら山里のピンクと緑のコントラストが素晴らしい。周りを見ると、老若問わず女子たちは車窓には目もくれず、スイーツセット目掛けて群をなし列をなしておりました。大阪都ホテルのパティシエ手作りの名物ケーキは難波発のしまかぜでは発車直後に売り切れるとか。松阪牛重や松阪牛カレーも美味しいと評判なのです。
 鳥羽駅で降りて駅前の鳥羽さざえストリートへ急ぎます。屋台村のように並んでいるお店の中から一軒の暖簾を潜り、サザエやさまざまな貝を焼いて食べながらひと杯ふた杯、ひとときふたとき。ひと酔いほろ酔いのひとときです。鈍行で賢島駅に移動して、海辺を遊覧、港を散歩して近くの浜焼きのお店でひと休みします。夕刻まだ明るい賢島駅に戻ると、伊勢志摩ライナーとしまかぜ2編成が並んで出迎えてくれました。終着至極!恐悦至極(写真3)
 泡盛に「島風」(石川酒造、沖縄)はありますが、日本酒の「しまかぜ」はありません。今回の推し地酒は、しまかぜの車内限定酒、「宮の雪 純米吟醸 愛山」(宮﨑本店、四日市)です。
 (しまかぜ 2020年10月乗)

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