真っ赤な薔薇 家森 百合子(中京西部)  PDF

 私が日本画を習い始めたのは50歳前なので、30年余りになる。元々花が好きで、いつか自分で育てた花の絵を描きたいと思っていた。たまたま、山口華楊の絵に出会い、私の花は日本画で描くのが合うと密かに思った。そんなある日、病棟の看護師さんから「先生の同級生の水田さんの日本画の個展が素晴らしかった」と聞いて観に行った。小中高と同級生だった幹ちゃんは、30年余り会わないうちに、日本画で花ばかり描き、毎年日展に出品するような画家になっていた。そこで私は心の内を話し、日本画を習い始めることになった。3人の子どもの育児はほぼ終盤にあったが、両親の介護は始まりかけた頃で、十分な時間は取れなかったが、月1回と決め、基礎のデッサンから始めた。まともに絵を描くのは中学校の図工の時間以来だった。しかし、絵を描く時間はいつもワクワクする。
 最近では花屋さんで出会って心魅かれた花も描く。『真っ赤な薔薇』はそんな絵の一枚である。

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