なんでも書きましょう広場 新型コロナウイルス感染症の教訓を忘れないで 政策部会部員 礒部博子  PDF

 5月8日より新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類へと引き下げられました。このことにより、最近まるで新型コロナ感染症が世の中から消えてしまったような風潮があります。
 人混みや電車の中でもマスクをつけていない人が増え、無料で行われている自治体のワクチン接種への申し込みも減少しています。にもかかわらず、ここ数年の行動制限の反動からか、コンサートや旅行に出かける人が急増して感染リスクは確実に増加しています。
 また、5類移行に伴い、これまで実施されていた新型コロナの検査と治療にかかる公費負担は終了となり、医療費は原則患者負担となったため、検査が必要でも一部負担金を嫌がり、検査を断る患者も増加しています。このままでは感染が再拡大する恐れがあります。
 一方、医療提供体制では、入院調整などの行政が果たしてきた役割はことごとく放棄され、全て医療現場へ丸投げされた状態です。
 沖縄ではすでに感染者数が1月の第8波のピークに近い水準になり、搬送先を探すのが困難な状況になっています。県内では医療提供体制が逼迫し始め、6月8日には沖縄本島の病床確保の指標は最も深刻なフェーズ5に入りました。このため救急診療、ひいては一般診療にまで制限がかかりつつあり、ピークはまだ見えていません。
 私たちはもう一度初心に立ち返り、感染リスクが高い場面でのマスクの着用や換気の徹底など基本的な感染対策をあらためて思い出し、行動に移す必要があります。また、高齢者や基礎疾患がある人はワクチンの追加接種の検討や、感染爆発が起こる前に自宅療養に備えるための市販薬や抗原検査キットの準備も必要です。

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