医界寸評  PDF

 国家公務員総合職(キャリア)の志願者の減少に歯止めがかからない。霞が関特有の勤務環境、すなわち長時間労働などが背景にあるとされる。そのため、人事院は3月、週休3日制を希望する全ての職員が取得できるようにすべきと提言し、政府に一層の業務改革を求めた▼公立学校教員採用試験の受験者総数も教員の長時間労働が問題となる中、減少傾向にある。これに危機感を抱いた文部科学省は2022年、教員の働き方改革を進めるため、長時間勤務の要因となり、多大な負担となっている中学校の休日の部活動の外部委託に向けた検討を始めた▼医療を含めたさまざまな職種で、若者に選ばれる職場を目指して、働きやすい環境づくりが推進されている。一部の総合病院で午後診療を廃止する動きがあるのもその一環であろう▼Z世代(10~20代)の若者は働くことをどう捉えているのだろうか。彼らにとって働く価値観は「仕事」中心から「自分らしさ」も大切にする傾向に変化しつつある。「良い結果を出す」「能力を高める」ではなく、「自分らしい生活を送る」「仕事環境の心地良さ」が重要なのである。価値観は具体的なものからフワッとしたものに移りつつある。若者が求めているのは、一応自分色にキラキラ輝いて、なんとなくドキドキ、ワクワクすることであるようだ。(clear)

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