医界寸評  PDF

 最近、震度5や6の地震が、各地で起こっている。わが国は戦後の復興期、幸いにして大きな地震に遭わないで高度成長できたが、天災は忘れた頃にやってくる。1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災と、名称に“大”のつく地震が起こり、その他でも2016年の熊本地震など大きな被害を及ぼした地震が起こっている▼四つのプレートの境界上に存在するわが国では、地震に遭わない方がおかしいと思わないといけないのであろう。フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいくと言われても、自然の力のすごさを感じるばかりである。南海トラフの巨大地震など自然災害に備えないといけないが、自然が相手では予測も大変である▼国は防衛費増額のための財源をあちこちからかき集めて増やすことにした。国有財産の売却などの税金以外の収入を活用する防衛力強化資金の他、歳出改革や決算余剰金を組み合わせるという。防衛の第一は外交であろうが、そのために敵基地攻撃能力などが不可欠なのだろうか▼北朝鮮のこともあるが、ロシアのウクライナ侵攻で、よりきな臭くなってしまい、外交より軍事に傾いていかないか心配である。こちらは、人間が相手である。自然よりは予測できるのではなかろうか。外交力で頑張ってもらいたいものである。(門雀庵)

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