協会調査が国会審議で活用 留め置き問題で検証求める  PDF

 高齢者施設などでコロナ感染したにもかかわらず入院できずに施設内療養となった「留め置き」問題についての国会審議で、京都府保険医協会の第2次調査結果が取り上げられた。
 4月13日の参議院内閣委員会で参考人発言をした21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会事務局長の井上ひろみ氏は、高齢者施設でのクラスター発生や施設内療養の実態を報告。同連絡会の第8波についてのアンケート結果から、クラスターが発生した179施設の陽性入居者3696人の87・4%が施設内療養を強いられたと報告。さらに京都府保険医協会や東京都高齢者福祉施設協議会の調査結果でも陽性者の8割以上が施設内療養だったことも示して、原則入院ではなく、「原則、施設内療養であった」というのが現場の実態であったと訴えた。そして、こうした実態を検証して、高齢者の命を守る対策を講じるよう求めた。
 4月18日の参議院内閣委員会では、井上ひろみ氏の参考人発言を受けて、井上哲士参議院議員(共産)が政府を追及。井上議員は、「歴代政府の医療費抑制政策により医師や看護師の絶対数が不足して感染症拡大に対応できなかった」「平時に余裕がなければ緊急時に対応できないことが明らかになった」として人員体制の拡充を求めた。また「高齢者施設などの留め置きが適切だったのか、厳しく問われなければならない」と追及し、国による調査と検証を求めた。
 答弁の中で、全国の高齢者・障害者などの社会福祉施設で留め置かれた人数はピーク時で、第5波197人、第6波6110人、第7波1万5725人、第8波1万6509人と激増していること、高齢者施設での死亡数について2020~21年の2年間で812人であるがコロナによるものかは把握できていないこと、入院調整を一元的に行っていた都道府県が44(22年4月時点)であったことなどが明らかにされた。
 井上議員は、協会調査で入院が必要と判断したができなかったとの回答が47%、京都府入院コントロールセンターが入院不可と言っているとの回答が26%あることを紹介。さらに協会も問題視してきた、心肺停止時の蘇生措置拒否の意思表示をしていることを理由に入院拒否をされた京都の事例も取り上げた。このような理由での入院拒否は認められるのかとの質問に、伊佐進一厚労兼内閣府副大臣は、個別の事案には答えられないが一般的には医師の応招義務があるとした。
 井上議員は、「原則、施設内療養」の実態があったにもかかわらず、当時の政府担当者や知事が、入院の必要がある方は入院できていると、実態とは違うことを述べていたことを批判。高齢者施設で多数の感染者や死亡者が出た実態とその原因、入院調整の実態、背景にある医療体制の問題を把握することが次の対策の第一歩だと求めた。これに対して、後藤茂之内閣府特命担当大臣は「できる限り必要な検証を行ったうえで対策の改善を図っていかなければならない」と言うにとどまった。

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