コロナ政策検証し、危機管理を 感染症危機管理庁の新設 法案成立  PDF

 4月21日、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案が与党などの賛成多数で可決・成立した。同法案は、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」と「内閣法」の一部改正で構成されており、内閣官房に「内閣感染症危機管理統括庁」を新設する。
 法案は新型インフルエンザ等対策本部長(内閣総理大臣)による、現行法では「まん延防止等重点措置時」および「緊急事態宣言時」に限定されている行政機関の長や都道府県知事などに対する「指示権」を強化し、「新型インフルエンザ等対策本部」が設置された時から可能とするなどの内容を含む。
 権限強化に合わせ、新たな組織として内閣官房に「内閣感染症危機管理統括庁」を置き、政府行動計画の策定および推進、行政各部の施策の統一保持上必要な企画・立案、総合調整をつかさどる。
 統括庁には「内閣感染症危機管理監」1人 (内閣総理大臣が内閣官房副長官の中から指名する者) や内閣感染症危機管理対策官1人を置き、厚生労働省の医務技監をもって充てるとされる。公布日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日に施行される。
 本法案は「新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組みを踏まえた、次の感染症危機に備えるための対応の具体策(2022年9月2日)※」が、「これまで内閣官房で担ってきた政府対策本部の事務や水際対応など、感染症対応に係る総合調整事務は、平時・有事一貫して内閣感染症危機管理統括庁が一元的に所掌することとし、各府省庁等における感染症危機に係る対応を司令塔として統括」すると記載していたことを具体化したものである。
 反対した野党側からは、強力な司令塔機能を持つ危機管理庁設置を求める修正案を提出した立憲民主党が「コロナ室の看板の架け替えに過ぎない」と批判。日本共産党が「法案には専門家の知見を活かすことが担保されていない」と批判。さらに高齢者施設などにおいて医療にアクセスできずに生命を落とす事態に対する検証、医療現場の人員増なくして管理庁を設置しても危機には対応できないと指摘していた。
 ※新型コロナウイルス感染症対策本部決定(2022年9月2日)
https://corona.go.jp/direction/pdf/gutaisaku_20220902.pdf

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