医界寸評  PDF

 膝が痛い、腰が痛い、すぐ身体が固まる。こうして老いてゆくのだ。そりゃそうだ、70年以上も身体は働き続けてくれているんやからな!と一人納得▼昨年、今年と大事な人が二人、黄泉の国へ逝った。デイケアで一緒に歌っていた友人が病に倒れた。ショックだった。以前、医師会の公開討論会でリビングウイルやACP(人生会議)について話し合ったことがある。最近、家族や周囲の人のために「その時」自分はどうしてほしいかなどを記載しておかなければならないと本気で思い出した。自分の人生はどうだったろうか?「川の流れのように」「時の過ぎゆくままに」「時は過ぎてゆく」と言えば格好がいい?が、安易に生きてきてしまったのである▼『死ぬ瞬間の5つの後悔』(ブロニー・ウェア著)という本がある。 自分に正直な人生を生きればよかった 働きすぎなければよかった 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった 友人と連絡を取り続ければよかった 幸せを諦めなければよかった―の5つを挙げている(死に直面した人の話)。全世界で反響が大きかったという▼しかし人生は一人で生きているわけではなく、現実的にはハードルが高いことばかりだ。だが、訪れる「その時」まで周りに迷惑をかけない程度に、後悔のないよう残りの人生を生きることにしよう。(励無)

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