消費税損税調査  PDF

消費税損税調査

診療報酬上乗せでは真の解決ならず

■実施日=2012年10月

■調査方法=調査票を郵送にて配布し、郵送にて回収。内容記載については各医療機関の顧問税理士に記載を依頼することも可能とした。
調査対象数字は2011年分確定申告時の決算数字。法人は2011年10月時点の直近の決算数字。

■回答数=有効回答195通/発送数2022通 (回収率9.6%)
※発送は医療機関単位で行ったが、回答は法人単位での回答もあり複数の医療機関の分が1通という回答もある。

■集計の前提条件=診療報酬には1・53%の消費税対応分が上乗せがあることとし、介護報酬には消費税対応分が上乗せされていないとした。

京都府保険医協会は、2006年に医療機関が負担する消費税損税(年額)について調査したが、今回6年ぶりに同様の手法で調査を行った。

06年以降、診療報酬改定は06年▲3.16%、08年▲0.82%、10年+0.19%、12年+0.00%と推移してきた。薬価、材料費は06年以降ずっとマイナス基調で推移している。

回答医療機関195通の内訳は病院28通、診療所167通。

平均で135万円超の持ち出しに【表1】

医業収入に含まれる消費税分と医業費用に含まれる消費税分の差額が医療機関の消費税負担額となる。全体の平均では、135万4113円の持ち出しとなっており、損税となっている。医業収入に対する損税の負担率は▲0.33%となっている。損税が前回調査より0.03%増加している。

病・診別で病院微増【表2】

病 院:損税負担率は▲0.28%であり、医療機関の持ち出しとなっている。前回調査より0.05%増加している。

診療所:損税負担率は▲0.47%であり、医療機関の持ち出しとなっている。前回調査より0.27%改善している。

前回調査と比較すると病院は負担率が増加し、診療所は改善している。

全体では▲1.00%以上▲0.50%未満が50件分布し中央値は▲0.53%、診療所は▲1.00%以上▲0.50%未満が43件と多く分布し中央値は▲0.59%。診療所の負担率が高い。(図1〜3)

個人無床診療所の負担率高め【表3、図4】

個人無床診療所の負担率が法人無床診療所より高くなっている。

全科に損税明らかに【表4、図5】

負担率が高いのは外科、整形外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、眼科、小児科、皮膚科、精神科、内科の順となっており、全科にわたって損税が発生している。

内科、外科、整形外科、皮膚科は改善したが、あとは負担率が増加している。

院内投与の医院負担率高し【表5】

原則院内としている医療機関の負担率の方が、原則院外としている医療機関より高い。

ゼロ税率の実現を

ほとんどのケースで医療機関からの持ち出しとなり、損税が発生している。

今後、消費税が8%、10%に増税されれば、医療機関の損税がさらに増えることになる。

医療機関の損税を解消するために、厚生労働省は診療報酬に上乗せするというが、図6にみられるように、損税は医療機関によってばらつきが大きいため、真の解決にはならない。また、診療報酬への上乗せでは患者負担を増やすことにつながる。

軽減税率を求めることは、患者に消費税負担を求めることであり政策的にも正しくない。

医療機関の損税を解消するためには、非課税事業であっても仕入れ税額控除ができ患者にも負担を求めない、社会政策的なゼロ税率の実現が望まれる。

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