7種類以上の内服薬投薬を行った場合の算定制限に関するアンケート結果  PDF

7種類以上の内服薬投薬を行った場合の
算定制限に関するアンケート結果

必要な投薬阻害する算定制限撤廃を

期 間:2012年11月19日〜12月7日      回収数:309人
対象者:協会会員で医療機関管理者2047人   回収率:15・1%

かねてから協会は、内服薬処方の種類数にペナルティを設けるかのように導入されている「7種類以上の内服薬投薬を行った場合の算定制限」が、現在の医学に合致しておらず、「保険で良い医療」を阻害し、患者の生命への脅威となっているのではないかと考えてきた。そこで、標記のアンケートを実施。回答者の開設形態は病院10・7%、診療所89・0%で、第一標榜科の内訳は、内科系53・1%、外科系35・6%。アンケート結果は、厚労大臣・中医協委員等に送付し、算定制限の撤廃を要請する予定である。

内科系の7割が7種類以上の投薬必要患者

2012年10月分の実績として、どうしても7種類以上の内服薬を投薬・処方せざるを得ない患者がいるか質問したところ、「いる」との回答が54・4%、「いない」との回答が45・6%となった(図1)。

また、内科系、外科系でクロスして集計したところ、内科系では「いる」との回答が73・2%に達し、「いない」との回答26・8%を大きく上回った(図2)。7割以上の内科系医師が1処方につき7種類以上の内服薬の投薬が必要な患者を診療していることが判明した。

外科系では「いる」との回答が21・8%、「いない」との回答が78・2%となり、内科系とは全く逆の結果となっている(図3)。

さらに、内科系医師であって、7種類以上の内服薬の投薬が必要な患者が「いる」と回答した方(120人)に対して、その人数を質問したところ、1〜9人が一番多く、次いで10〜19人となった。結果として、19人までとの回答が全体の50・0%を占めることとなった。

算定制限対応に苦慮する姿浮き彫りに

7種類以上の内服薬投与が必要だと思われる患者に、90%への逓減や処方せん料の減額を回避するために対応したことがあるかという質問に対しては、「そういう対応はしていない」が54・4%、「対応したことがある」が38・5%となった(図4)。

内科系医師では「回避するために対応したことがある」との回答52・4%が、「対応はしていない」との回答46・3%を上回った(図5)。

また、7種類以上の内服薬を投薬・処方せざるをえない患者が「いる」と回答した内科系医師120人を対象にクロス集計したところ、「回避するために対応したことがある」との回答52・5%が、「対応はしていない」との回答47・5%を上回った(図6)。

外科系では「対応はしていない」との回答が66・4%、「対応したことがある」との回答が18・2%となった(図7)。

しかし、7種類以上の内服薬を投薬・処方せざるをえない患者が「いる」と回答した外科系医師24人を対象にクロス集計したところ、「回避するために対応したことがある」との回答58・3%が、「対応はしていない」との回答41・7%を上回った(図8)。

内科系・外科系に限らず、7種類以上の内服薬を投薬・処方せざるをえない患者が「いる」と回答した医師は、内服薬投与に当たって、薬剤料の90%への逓減や処方せん料の減額という算定制限のため、対応に苦慮していることが浮き彫りとなった。

さらに「回避するために対応したことがある」と回答した方に、具体的な回避の内容を質問したところ、「必要とは思ったが、主病以外の疾患対象の薬剤の処方を制限した」が42・0%、「別の日に改めて受診してもらった」が34・5%、「専門科でないことを理由に、他医受診を勧めた」が21・8%となった(図9)。

7種類以上の内服薬投与を行った場合の算定制限の評価については、「賛成」が6・5%、「反対」が65・4%、「分からない」が24・9%であった(図10)。

内科系では、82・3%が「反対」と回答、「賛成」6・1%を大きく上回った(図11)。

外科系では、44・5%が「分からない」と回答、次いで39・1%が「反対」と回答し、「賛成」は9・1%に止まった(図12)。

「反対」と回答した方に、理由を質問したところ、「糖尿病、高血圧症等、1種類の投薬ではすまない疾病がある」が最も多く81・7%、次いで「診療所、中小病院は、外来で多数の慢性疾病などを診る必要がある」が76・7%、「薬価差が縮小し、薬価差益を念頭にした多剤投与はありえない」が39・1%、「多剤投与が必要な患者の併用禁忌、副作用等の管理の技術料評価が必要と思う」が17・8%、等となった(図13)。

次期改定で算定制限の撤廃を

以上のアンケート結果から、「1処方につき7種類以上の内服薬の投薬を行った場合、90/100に逓減する」取扱いを2014年度診療報酬改定で撤廃することが必要である。

また、「7種類以上の内服薬の投薬を行った場合、13点低い処方料、28点低い処方せん料を算定する」取扱いを廃止し、少なくともF100処方料を42点、F400処方せん料を68点に統一する必要がある。

さらに、1物2価の状態にある調剤料は、院内投薬の技術料を引き上げ1物1価を目指すべきである。また、入院中と入院外で異なるF500調剤技術基本料も42点に合わせるべきである。

多剤投与の相互作用(併用注意・禁忌)に対する管理料の新設を

薬剤には相互作用があり、ほとんどの薬剤には併用注意・併用禁忌が存在する。複数の慢性疾患を抱える患者の多剤投与において、医師はこの併用注意・併用禁忌に厳しく注意している。馴染みの患者であっても、他科で投薬を受けていないか確認してから、投薬することを励行している。また、製薬企業、納入業者その他からの併用注意・併用禁忌に関する追加情報や、医薬品安全性情報にも注意している。

多剤投与の相互作用(併用注意・禁忌)に関する管理を評価した、「医薬品相互作用安全管理料(仮称)」を新設するべきである。

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