診療と経営は車の両輪「計画」は院長が「理念」は共有を 勤務医向けに開業講習会  PDF

 新規開業を考えている勤務医を対象に「新規開業を考える方のための講習会」を11月27日に開催し、7人が参加した。
 ひろせ税理士法人・認定登録医業経営コンサルタントの常田幸男氏より「開業前の準備と開業後の工夫~事例から学ぶ成長する医院づくり~」をテーマに講演。その後、医療法人ふくおかクリニック院長の福岡正平氏(右京)より開業時の経験などを話していただいた。
 常田氏は、①開業に至るまでの流れとポイント②開業後に事業が安定するまでの課題や工夫などの具体的事例を解説。開業時の資金に関して「金融機関から融資を受ける場合には、事業計画書が融資の実行を左右する。作成は専門家に丸投げするのではなく、医師自身が院長として腑に落ちるまで考えることが大事」とアドバイスした。
 開業後の課題として、開業医の悩みは「開業前」「開業直前・創業期」「成長期Ⅰ~Ⅲ」の五つのステージがあるとし、「開業直前から経営が軌道に乗るまでの時期は、思い描いていたものとのギャップが必ず生じる。成功曲線を理解し、さまざまな工夫を根気よく継続することが大事」と述べた。「開業医の悩みは尽きないが、開業準備は一生に1回。楽しまないと損だ」と講演を締めくくった。
 先輩開業医からのアドバイスとして福岡氏は「開業すると勤務医時代とは違い、経営者の側面がある。診療と経営は車の両輪のようなもの」と述べた。さらに「クリニックの運営で最も大事なものは『理念』であり、スタッフ含め全員で守らなければならないもの」として、理念の共有とスタッフへの教育が大事とアドバイスした。また経営者として、診療報酬の請求には点数やカルテ記載の知識も必要と述べた。
 最後に、曽我部理事より地区医師会への入会手続きと会員医師の経営と生活をサポートする保険医協会の各種共済制度などを説明した。参加者からは「開業に向けての流れがよく理解できた」「非常に勉強になった」との感想をいただいた。

 次回の講習会は5月28日に開催予定。詳細は本紙やホームページでご案内します。

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