医界寸評  PDF

 今年はロシアの侵略を止めたい。昨年2月24日にいきなりウクライナに攻め込んだロシアには驚いた。直前まで国境近くで軍事演習を行っていたが隣国に蹂躙してきたのだ。ウクライナのゼレンスキー大統領は直ちに世界に向けて生々しい動画とともに「民主主義への挑戦だ。我々はヨーロッパの先端で戦う。支援を」と訴えた▼あれから来月で1年になる。ウクライナの国土はずたずたになり、どれほどの人が死んだろう。残酷な正視できない幾人もの死体の映像が朝から晩まで茶の間のテレビに映し出される。見ないでおこうとも思うが、いやいや今起こっている地球の現実をしっかり知ることが大事だと自分に言い聞かせてテレビを見る▼COVID-19パンデミックにより制限された不自由な日常と独立国が無法に攻め込まれ破壊されていくのを見ていながら何もできないもどかしさ。世界中で気分が滅入って体調を崩す人も多いことだろう▼「“ゴルゴ13”とか“007”に頼むしかない」と言っていた人もあり、世界中で一斉に“丑の刻参り”をやろうと妄想した。戦争はダメだ。命を守る医療の対極にあるのが戦争である。電源も水道も設備も器具も全てが破壊されている中で、乏しい灯りを頼りに献身的に治療に当たる医療者の姿は人ごととは思えない。戦争反対を唱えることから始めよう。(幸)

ページの先頭へ