法人化の長所短所見極めを 医療法人講習会を開催  PDF

 協会は、ひろせ税理士法人・認定登録医業経営コンサルタントの常田幸男氏を講師に、医療法人講習会を4月28日に開催。本講習会は2年に1回開催しており、今回は10人が参加した。

 常田氏は、現在の診療所の開設形態について説明。一般診療所(医科診療所)の数は全体として増加傾向にあるが、個人開業の診療所は高齢医師の閉院等で年々減少している。一方で医療法人開設の診療所は年々増加し、現時点で個人開設が47%、医療法人開設が53%となっていると述べた。
 続いて、医療法人化のメリットとデメリットを考える際は、まず経済的なものと感情的なものに明確に整理し、理解することが必要とした。経済的なメリットは①法人税と所得税の税率差などで税金が安くなる②医療法人契約の生命保険に加入できるなど。デメリットは①院長個人の資金繰りが窮屈になる(特に、教育資金や住宅ローンなど、一番お金を使いたいタイミングで法人にお金を貯めることになる)②役員報酬や常勤スタッフの厚生年金保険料負担が発生する③常勤勤務中は厚生年金の受給ができないなどとした。
 一方の感情的なメリットは①法人化により事業の発展を実感できる、理事長の肩書がつくなど、ステータス感が得られる②事業承継がやりやすくなる③事業とプライベートの財布を明確に分けることができるなど。デメリットは①診療をどれだけ頑張っても院長の個人報酬には直接反映されない②毎年都道府県知事に事業報告書等を提出しなければならない③その他、煩雑な手続きが増えるなどを挙げた。
 こうした例を踏まえ、税理士に言われるがままに法人化するのではなく、「どれだけの節税効果があるか」「厚生年金保険料負担はどれくらいになるか」「法人化した時の個人の資金繰りに問題ないか」など経済的なメリット・デメリットを比較検証した上で、最後は感情的に判断することが重要だとした。
 最近は開業後1年程度で法人化する傾向が見られる。昨今、コロナ禍で新規開業を控えていた先生方の開業が多くある状況を踏まえ、協会では医療法人講習会を今冬も開催する方向で検討中である。

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