医界寸評  PDF

 ロシアのウクライナ侵攻が始まってから4カ月を越した。短期間で片付けて、クリミア半島を占拠して自国のものにしたように、ウクライナを傀儡国家にしてしまおうと思っていたのかもしれないが、長期戦の様相を呈している。権力者の身勝手な決定から、両国に多くの犠牲者が出ているのは、痛ましい限りである。製鉄所で防戦していた部隊が、旧日本軍のように全員玉砕に至らなかったのは何よりだが、捕虜としての扱いが気になる▼遠くの戦争でも、グローバル化したこの世界では、いろいろな影響が及んでくる。ロシアへの制裁は、それへの対抗処置を覚悟の上であろうが、遠回りの影響も諸物価の上昇として押し寄せてきている▼安倍前首相に政府の子会社のように言われた、アベノミクスの片棒を担いだような日銀の低金利政策も円安に拍車をかけ、輸入品の価格上昇を来して、物価上昇が日銀の目指した2%を超えた。日銀は、賃金も上がっての物価上昇を期待していたようだが、思惑通りいかないのが、生き物のような経済なのであろう▼この円安などによる物価上昇は、医療関係のものにも及ぶであろう。ジェネリック医薬品メーカーの不祥事から供給に支障を来している医薬品に加え、原材料を輸入に依存しているものに影響がでて、混乱が起こらないよう祈る日々である。(門雀庵)改定こうみる

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