シリーズ環境問題を考える 153  PDF

再・地球の環境と戦争

 このコラムの始めに書いたことだが、環境問題、特に地球規模の環境問題の解決を難しくするものに、次のことがあるといわれている。①今ある利益を、おのずから捨ててしまうという困難②今ある利益を、これからのために捨ててしまうという困難③予測に伴う不確実性という困難④自然と人間活動それぞれと、その相互の関係の複雑性という困難―。
 さらにこの問題がはらむ規模の大きさ、影響の深刻さ、問題発生後の解決困難という不可逆性、さらに例えば地球温暖化に見られるように、自然変動だけではなく、止めることが困難な人間の活動に伴う変動でもある。
 そしてこの困難性は、もう一つの厄介なことを引き起こす。それはこの不確実性、複雑性と、それに伴う専門性などからくる、分かりにくさと、さらにはそれによってもたらされる、あるいはそれを利用した「いまある利益」を守るための、問題の隠蔽、ごまかし、そして時にはあからさまなウソの流布などである(そしてこれに関わるいわゆる御用学者と、事実の検証を怠り、政府・企業発表などをそのまま垂れ流すマスコミ)。
 最後に、環境の破壊、生活の破壊を大規模に引き起こす最たるものは言うまでもなく地域の紛争、武力侵攻、内戦を含めた戦争であり、これらは世界の各地で止むことなく起こっている。そして今現在もウクライナの惨状、多くの市民の死と生活の破壊をテレビなどを通じて目の当たりに見ることになる。守るべきは何をおいても、人の命、そして生活である。
(政策部会理事 飯田 哲夫)

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