相楽医師会と懇談 2月26日 ウェブ会議 かかりつけ医「制度化」を危惧  PDF

 協会は2月26日、相楽医師会との懇談会をウェブ会議で開催。地区から15人、協会から7人が出席した。相楽医師会の岸田秀樹副会長の司会で開会。開会に際し山口泰司会長は、「第6波のオミクロン株の被害は、これまでの第5波とは違う。感染者数が桁違いに増え、相楽医師会員も、検査やワクチン接種、自宅療養者への電話診療などの対応に尽力している。4月からの診療報酬改定では、リフィル処方箋、機能強化加算の要件が厳しくなるなどの情報が出ており、有意義な意見交換を行いたい」とあいさつした。その後、協会から2022年度診療報酬改定―コロナでどうなる中医協での議論、新型コロナウイルスを取り巻く諸課題と今後の医療提供体制を話題提供した。
 2022年度診療報酬改定で新設されたリフィル処方箋に関して、協会から「リフィル処方箋のメリットは、患者の手間が省けることだ。デメリットは、リフィル処方箋を使用している間に患者の容体が悪化した場合、医師の責任となる。リフィル処方箋を受け取った薬局では患者の健康管理をしなければならない」と報告した。
 地区からは「患者自身が『リフィル可』にチェックをすると、勝手にリフィル処方されてしまうのではないか。リフィル不可のハンコを押すなどの対応が必要ではないか」と処方箋の取扱いに関して危惧する意見が出された。
 医療費適正化として推進されているセルフメディケーションに関して、地区から「チェーン薬局などでHbA1cの検査がイベントで行われている。薬局で医療的な指導が行われるとかかりつけ医と違う指導をする可能性があり問題だ」と報告された。
 協会からは「セルフメディケーションは患者の自己責任という考え方。しっかりとした説明が必要であり、医療機関に受診せず薬局の検査だけで済ませる受療行動になりかねない」と述べた。
 財務省は、コロナ禍においてフリーアクセスが十分に機能しなかったとして、かかりつけ医を制度化し、診療報酬上の評価を包括払いにすることを求めている。このかかりつけ医制度に関して、地区から「包括払いにすると、難病やさまざまな問題を抱えた患者を診る医療機関よりも、軽症患者を多く診ている医療機関の方が流行るといったことが危惧される。かかりつけ医の定義が、我々が考えるものと違ってきているのではないか」との意見が出された。
 協会からは「包括払いの問題点は、治療や検査をやってもやらなくても同じ点数になる。しっかりと必要な治療ができるのか。軽症者だけを診たり、密度の低い医療へ導きやすい制度だ」と問題点を指摘した。その他にも、小児へのワクチン接種や外来機能報告制度に関する意見交換を行い、最後に各部会から情報提供後、懇談会を終了した。

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