抗議談話 核による世界への威嚇許せないロシアは軍事行動の即中止を  PDF

 協会はロシアのウクライナ侵攻に対し、国連憲章と国際法を踏みにじる暴挙であるとともに核による威嚇を強く非難。反核京都医師の会と連名で3月2日に「ロシアのウクライナ侵攻に抗議する」とした談話を発表し、駐日ロシア連邦大使館に送付した。以下、全文を掲載する。

 プーチン大統領は何故ウクライナに対して侵略戦争を開始したのか。
 ウクライナに居住するロシア人保護を理由とした今回の侵攻は、1939年にヒトラーがドイツ人保護という名のもと行ったポーランド侵略に酷似している。
 ロシア軍によるウクライナ侵攻は、独立国家の主権と領土に対する明白な侵略であり、国連憲章と国際法を踏みにじる暴挙である。
 自分自身の保身のためだけなのか、大義名分もなく行ったこの犯罪行為は、世界の人々が願う平和な世界に対する重大な挑戦である。
 さらに、プーチン大統領はこの侵略戦争開始の際に、ロシアが核兵器を持つ大国であることを誇示し、「ロシアは世界で最も強力な核保有国の一つだ」「最新兵器でも優位性がある」「我が国が攻撃すれば、壊滅し悲惨な結果になることは疑いない」などと、核兵器による世界への威嚇を行っている。核兵器は、広島・長崎の悲惨な経験が示すように、大量破壊と非人道的な結末しかもたらさない。核兵器禁止条約が発効して1年。世界の人々は核兵器廃絶に向けて進んでいる中、それに逆行する行為である。コロナ禍において、全ての人々が新型コロナウイルスと戦っている中、ロシアは多くの人命が犠牲となる軍事行動をただちに中止し、ウクライナから軍隊を撤退するよう強く求める。
 また、日本をはじめ全世界各国の長たるものは、自国民のみならずウクライナに住むすべての住民の命を守るために毅然とした態度をロシアに示すべきである。
 そして私たち医師は、人々の生命と健康を守る立場から、あらゆる戦争に反対し、地域から声をあげていきたい。
2022年3月2日
京都府保険医協会
副理事長 渡邉 賢治
反核京都医師の会
代表世話人 三宅 成恒

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