私の旅行記 火の鳥ケツァールを撮って 堀 直樹(乙訓)  PDF

 カワセミ、ハヤブサ、イヌワシ等の野鳥撮影を始めて7年余りになりますが、NHKのBS放送で世界一美しい鳥と称されるケツァールの映像を見て強い興味を抱くようになり、実際に現地で撮影した人の話を直接聞いたことも後押しとなり、3年前の年末年始に、コスタリカ共和国へケツァールの撮影旅行に行きました。

 成田から米国ヒューストン経由でコスタリカの首都サンホセに飛び、チャーターバス移動でケツァールが良く出現する高原地帯のサン・へラルド・デ・ドタ村に移動し、そこに2泊して早朝6時から7時の間に宿泊地の近くのケツァールの好物のリトルアボカドの実を食べに来るところを狙い2回撮影しました。ケツァールの和名はカザリキヌバネドリであり、中米の山岳地帯に生息し、体長は35㎝程で、雄は繁殖期の4月までは長い飾り羽を持ち全長は1m程になり、雌は尾を持ちません。特に雄は、光沢のあるエメラルドグリーンの羽毛で覆われ、腹部は鮮やかな赤色を呈し、古くからアステカの神として崇められ、手塚治虫氏の漫画「火の鳥」のモデルにもなり、その羽の美しさから乱獲のため激減し、絶滅危惧種としてエコツーリズムの進んでいるコスタリカで保護されるようになりました。実際に撮影現場に行くと、ケツァールはアボカドの実を食べており、私はその羽の美しさに夢中になり、鳥が飛び立つまでシャッターを頻回に押し続けました。今回は、コンゴウインコ、ハチドリや多くの固有種の鳥も撮影し、この国の自然保護への熱意を感じました。コスタリカは他の中米国と異なりとても治安が良く、また外国人と談笑しながら鳥を撮影するのも日本では味わえない格別な雰囲気と楽しさがあり、とても心地良い撮影旅になりました。
 今後、新型コロナによる海外渡航の縛りが完全に解除されるようになれば、再度コスタリカを訪れ、もう一つのケツァールの観察地であるセロ・デ・ラ・ムエルテ村や今回行けなかったサラピキ地区(オオハシ等が多い)に是非行ってみたいと思っています。

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