立憲民主府連と政策懇談 コロナ対策やかかりつけ医等で  PDF

 協会は立憲民主党京都府総支部連合会(以下、府連)との政策懇談を7月31日に開催。府連から会長の泉健太衆議院議員や福山哲郎参議院議員をはじめ11人が出席、協会から鈴木理事長ら7人が出席した(ネットからの出席も含む)。

 泉議員と鈴木理事長があいさつ後、協会から①「新型コロナウイルス感染症をめぐっての課題」②「ポストコロナを見据えた医療政策の動向」を報告。府連から、③「立憲民主党の医療政策≪今年の通常国会での政策対応≫」の報告があり、それぞれの課題に加えて同党議員から衆議院に提出された「家庭医制度の整備の推進に関する法律案」についても意見交換を行った。
 ①について渡邉副理事長が、医療提供体制では、自宅療養および宿泊療養中の死亡例からみる問題とその改善を求める協会の要請内容、ワクチンの供給不足では、その不満が市民の健康を守ろうと頑張ってきた医療機関に向かっていること、その解決のための協会の要請内容について説明。
 ②について吉中理事が、政府はこれまで進めてきた新自由主義改革の貫徹姿勢を明確にしていること、医療体制については外来機能分化を通じたかかりつけ医の登録制創設なども狙われていることを説明。
 ③について泉議員が、「ウィズコロナ」の対抗軸としての「ゼロコロナ戦略」=医療現場支援、感染封じ込め、暮らしと事業を守る国民支援―の3本柱および後期高齢者の医療費窓口負担割合の対案としての保険料賦課限度額の引き上げ、コロナ禍での病床削減に対する修正案の説明があった。

コロナ禍で焦点となる「かかりつけ医」

 新型コロナでプライマリ・ケア機能を発揮することが重要であるとして、同党の中島克仁議員を中心とするプロジェクトチームにより「家庭医制度の整備の推進に関する法律案」が6月10日に衆議院に提出された。法案提出者の中に京都選出の議員はいないが、府連から説明があった。政府が医療費削減、医師コントロールの流れの中でかかりつけ医の制度化を考えていることは注視しており、今法案は決して政府と歩調を合わせてのものではない。国民に何ら義務を課すものではなく、フリーアクセスも確保し、人頭登録払いではないことも現時点で明確にしているとした。予防が重要との問題意識から出てきているものであり、プログラム法案なので、今後皆さんとどのように議論をつめていくか注意して取りかかっていきたいとした。なお、「家庭医」としているのは、かかりつけ医の定義が明確でないので区別してのものだとした。
 かかりつけ医の制度化について、協会から以下のような意見を述べた。「過疎地の開業医は手術とお産以外は全てやっており、診療所にいる限りは電話があればいつでも診る。それが本来のかかりつけ医で、すぐに専門医に回すような発想は条件の揃っている大都市だけを考えた制度でしかない」「予防を保険診療に求めるべきではない。予防はあくまで健診とその事後処置で、それがうまくされていないことが問題」「肛門科や眼科、耳鼻科など専門科の医療機関はかかりつけ医にはなれないので、制度化すると直接受診がなくなる。患者さんはどこに受診すればいいのかわかっているのに、かかりつけ医を通せば経済的にも負担」「働き方改革で時間外労働を減らし、病院が外来を縮小していけば、国が言うように、開業医から病院への紹介の流れをつくることは大事だろう。しかし、かかりつけ医は必要だが、制度は不要で、誰か一人を選べというのは患者にとっても嫌なこと。イギリス型のやり方は日本に馴染まない」。

陽性者への医療提供改善を

 新型コロナウイルス感染症をめぐっては、協会提案をもとに意見交換。
 病床逼迫で宿泊施設・自宅療養者が急増し保健所も手が回らない中で亡くなった方がでた問題で、協会から「健康観察」は医療が提供できていない状況であり、医療を提供できるようにすべきであり、往診して医療を提供しようとしている開業医をもっとバックアップすべき。医療安全の観点からも、医療でないことから予期せぬ死亡であっても医療事故調のシステムに乗らず検証しきれていないと問題意識を示した。これに対し府連から、医療提供できていないという話を聞いて腑に落ちた。隔離するだけでは意味がないので指摘の通り見直すべきだとした。
 また京都市に対して、市内1カ所に集約化している健康観察を区ごとに行うよう求めている協会提案について、府連は当局と柔軟な対応が必要な部分もあるのではないかと話をすると、今までやってきたことに間違いはなかったというところからスタートするので、変な硬直性を招いてしまっている。協会の指摘も踏まえて改めて考えていきたいとした。

冒頭あいさつを行う泉議員

【立憲民主党京都府総支部連合会】
会  長 泉 健太・衆議院議員
常任顧問 福山哲郎・参議院議員※
幹 事 長 田中健志・京都府議会議員
副幹事長 片桐直哉・京都市会議員
副幹事長 和島一行・向日市議会議員
常任幹事 宮小路康文・長岡京市議会議員
常任幹事 小松康之・亀岡市議会議員※
常任幹事 松尾 憲・久御山町議会議員
幹  事 白塚悦子氏
幹  事 平田圭氏※
幹  事 江頭孝博氏※
【京都府保険医協会】
鈴木卓理事長、茨木和博※・渡邉賢治副理事長、吉中丈志・飯田哲夫※・吉村陽※理事、増田道彦監事※ (※はウェブ出席)

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