難病など基礎疾患ある人の接種機会の確保を京都市に要請  PDF

 協会は、NPO法人京都難病連とともに、難病などで新型コロナウイルスワクチンの接種機会の確保が難しい方たちへの機会確保を求めて、6月14日、京都市に要請を行った。

 要請では、まず基礎疾患を有する人への優先接種体制について京都市の方針を早急に提示してほしいこと、基礎疾患を有する人の中でも病状が重篤な場合や難病の場合もワクチン接種の機会を確保してほしいことを要請した。
 特に、基礎疾患の病態が重篤であった場合、また難病であった場合は、診療所でなく病院の専門科に通院している方が多い。
 しかし、京都市内にある大学病院はワクチン接種協力医療機関となっておらず、自院で接種する体制をとっていない。かかりつけ先が接種協力医療機関でない場合、京都市では集団接種に登録することになるが、難病の場合、予診で接種不可となる可能性が高い疾患も多い。かかりつけ医が専門性をもって接種不可と判断するならまだしも、その疾患の情報が少なく念のためにと接種不可となるのでは、個別接種を軸にして展開する意味がない。
 実際、日本国内に十数人しかいない希少難病の患者が、大学病院の担当医からコロナに罹患すれば重篤化する可能性が高く、一方で病態から安全性を考慮して医師の管理下のもと予防接種を受けたほうが良いこと。しかしながら、大学病院は接種協力医療機関になっておらず、病院で接種を受けることはできないと言われた事例が発生している。この患者の場合も集団接種では予診で接種不可となる可能性が高く、困惑して協会に相談が寄せられたが、幸いにも市内の民間病院で接種を受けられることとなった。
 こういったケースは希少難病だけでない。少数弱者が置き去りにされることのないよう、接種を希望されるすべての方を網羅できる接種体制を有機的に構築してほしいと要請した。
 また、京都市だけでなく、京都府議会に同内容の陳情書を6月18日に提出。府や府内自治体、国に対しても同様の要請を行う予定だ。

入院料届出添付書類 「様式9」テーマに
施設基準管理セミナー

 協会は5月26日、「適時調査原則中止の今こそマスター『様式9』」をテーマに「施設基準管理セミナー」を会員病院向けにウェブ配信で開催した。ウェブ配信の特性を活かし、京都府に限らず、全国の保険医団体の会員向けにも参加を案内し、最終の申込者数は全国17の団体から626人。当日の接続数は242端末(1端末で複数の視聴も可能なため)となった。講師は協会事務局が務めた。
 「様式9」は入院基本料等の施設基準届出に際して提出が求められる届出添付書類。看護スタッフの配置数や夜勤時間数等が施設基準を満たしているかどうかを表す書類として用いられている。届出後も同様に施設基準を満たすことが求められるため、日常管理においても作成が必要となる。
 しかしその作成方法は煩雑であるため、これまで協会が行った「適時調査」や「届出医療」に関する講習会の中でも取り上げてきたが、今回はこの「様式9」にのみ着目した内容で初めてセミナーを実施した。
 質疑では17の質問が寄せられたが、大幅に予定時間を延長して丁寧な対応を心掛けて回答した。匿名での質問が可能だったこともあり、質問が多かったようだ。参加者からは「具体的な例をあげての説明で分かりやすかった」「講師の話の仕方や、声のトーン等、とても聞きやすく分かりやすく大変ためになった」といった声や配信の希望が寄せられるなど、概ね好評であった。

コロナ補助金交付に大幅遅れ
迅速な対応を厚労省に要請

 2月28日に申請が締め切られた補助金(令和2年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金)の交付決定通知書が届いていない状況が、全国的に発生している。
 協会は会員医療機関からまだ通知が届かないという問い合わせを多数受け、全国保険医団体連合会を通じて、補助金の迅速な交付を申し入れた。厚労省への聞き取りによると、交付処理終了は7月頃の見通し。
 また、実績報告の期日は、別途交付決定通知で指定する期限(交付決定日からおおむね1カ月以内)までに提出すれば良いと、厚労省に確認している。
 交付決定通知が届き次第、実績報告書を提出できるよう準備を進めていただきたい。
 ご不明な点があれば、協会事務局までご連絡いただきたい。

厚労省 コロナ予防接種関連
初・再診料、投薬等の解釈示す

 厚労省保険局医療課は6月17日、「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い(その49)」を公表。
 問1で、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の予診を行ったことに対して、初・再診料は算定できない。
 問2で、予防接種後に医療機関内で健康観察している時に副反応等の症状が発生し診療した場合は、初・再診料は算定できないが、処置、検査、投薬等は算定できる。
 問3で、予防接種の前後に、別の傷病に対して診療を行った場合は初・再診料、処置、検査、投薬等は算定できる―などの解釈を示した。
 取扱いの全文は同封の『グリーンペーパー№298(6月25日発行)』21~22ページに掲載しているので参照されたい。

ページの先頭へ