代議員月例アンケート 130  PDF

今後の原発政策について
実施時期=2021年3月末日~4月14日
対象者=代議員87人 回収数=41(回収率47%)

10年で5割が反対に転じた

 東京電力福島第一原発事故の発生から10年。未曽有の事故を経験し、時の民主党政権は国民的議論を経て、「原発ゼロ」を打ち出した。安倍政権になってからは、2014年のエネルギー基本計画改定で「重要なベースロード電源」と打ち出し、規制委の審査を通過した発電所を再稼働させてきた。事故後に設けられた運転期間40年の原則も、なし崩しに延長が進められようとしている。菅政権は「温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロ」を理由に原発を前面に出そうとしており、エネルギー基本計画の改定のための議論が始まっている。
 今後の原発政策はどうあるべきなのか。この10年で原発に対する意識は変わったのかについて、代議員アンケートできいた。なお、質問項目は京都新聞など地方紙14紙が実施したアンケートと同じものとした。

約7割が 「脱原発」

 今後の原発政策では、「運転延長は控え、基数を減らしながら活用」「積極的に廃炉とし、脱原発を急ぐべきだ」「すぐにでも廃炉に」の各項目を合わせた「脱原発」の意見が73%に上った。これは地方紙アンケートの82%に比べれば開きがある。一方で、「積極的推進」「既存発電所の維持」を合わせた意見は17%で、地方紙の15%とあまり開きはない。「わからない」等が地方紙よりも4%高めに出ている(図1)。
 この10年の意識変化では、「今も変わらず反対」が27%と最も高く、「反対」や「縮小」に転じたという方が51%で、合わせると78%となり、前問より若干「脱原発」の数値が高く出ている。逆に「賛成」に転じた方は4%。「今も変わらず賛成」は5%で計9%にとどまる。「賛成でも反対でもない」は10%(図2)。
 事故直後の11年4月に実施した代議員アンケートでは、「原発を停止し、廃炉すべき」30%、「今後原発を新設すべきでない」46%、「今後も原発を稼働すべき」15%、「わからない」9%という結果であった。代議員のメンバーも変わり、個々の意識変化はあってもほぼ割合では変わらない数値と言える。
 意見では、「人間の力でコントロールできない核を使うこと自体が間違い」「廃炉や無害化の研究に予算、人材が必要」などとともに、「保険医協会が原発云々を言うべきでない」という意見も一定数見られる。
 協会は人命を守る医師の集団として、ひとたび事故が起これば深甚な人的・経済的被害をもたらす原子力発電に依存しない社会を目指す方針を表明してきた。会員の理解を求めながら、今後もその活動を継続していきたい。

図1 今後の原発政策について
図2 事故後10年の原発意識変化

ページの先頭へ