続 私の閉院後生活2 野々下 靖子(乙訓)  PDF

車中泊避難訓練を決行

 前回紹介した、認知症の行方不明者を捜索する目的で集まったグループ「みまもるone」。当地域で迷い込む場所と言えば、藪、山道、畑のあぜ道などになります。勢い、危険箇所も探索することから、防災にも着目することになりました。①この地域で起こりうる災害は②その災害にどう対処するか③避難所は④要配慮者は―。さまざまな課題が浮き彫りとなりました。
 市のハザードマップで指定された避難所までの道路には液状化の可能性があり、阪神淡路大震災での支援活動の経験から倒壊建物が道を塞ぐこともわかっています。要配慮者が指定避難所にまでたどり着くのは至難の業と考えました。そこで、幸い鉄骨造りの自宅兼「カフェけやきの家」を要配慮者の避難場所にしようとグループで決定。しかし、いくら鉄骨造りと言っても、家の中で物が散乱しては元も子もありません。ということで、室内の防災対策もぬかりなく、ゴムのストッパーなどを活用して物が散乱しないような工夫を施したり、昔懐かしい防災頭巾も常備しています。普段は椅子の背もたれにかけておき、いざとなれば被れるようにしています。加えて、メンバー各自の自宅の耐震確認を行い、ある程度地震等に耐えられそうならそこも2~3家族単位の避難場所としよう。そういったところをどんどん増やしていこうと計画中です。ただし、これらの案は全部ボランティアで市の公認は得ていません。
 さて、「カフェけやきの家」を避難場所とし、いざというときは要配慮者を受け入れると決めたのはよいのですが、寝袋等を活用してもせいぜい10人寝られればよいところ。家族の人たちまで寝られる場所はなく、どうしたものかと悩んでいたら、家族の人たちは車中泊にしてもらってはどうかという提案が出されました。このコロナ禍、災害が起こっても3密は回避をということで、避難所だけでなくにわかに車中泊という選択肢が浮上しました。
 「やってみんとわからん」ということで、「みまもるone」のメンバーが集まり車中泊避難訓練を実行することになりました。ちょっとわくわくしながら。当初は10月に開催される長岡京市の避難訓練に合わせて行うはずでしたが、我がグループの恒例行事等がコロナの影響で次々中止となりました。この車中泊避難訓練も大がかりに行うものは中止とし、3密にならないよう少人数のメンバー有志で実施するこにしました。車中泊避難訓練に集まったのは、女性3人、男性5人、犬1匹。ミニバンタイプ1台、軽自動車バンタイプ1台、軽自動車ワゴンタイプ1台、普通自動車ハッチバックタイプ2台、普通自動車バンタイプ1台。決行日は20年12月12日で、伝手を頼って柳谷観音の駐車場をお借りすることになりました。

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