新型コロナ患者受入等で障害者病棟に特例 会員病院の切実な要望が実現  PDF

 厚生労働省保険局医療課は2月26日、「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その36)」を事務連絡。障害者施設等入院基本料を届け出た病棟(以下「障害者病棟」)において新型コロナウイルス感染症患者を入院させた場合の取扱い等について、疑義解釈を示した。
 当該事務連絡では、コロナ患者入院に際し、これまで障害者病棟において認められていなかった特例を認め、障害者病棟であっても一般病棟入院基本料の点数が算定できるとした(ただし看護職員配置により算定点数は異なる)。このことにより、入院基本料に加えて、救急医療管理加算等、点数表の構造上算定することのできなかった点数が算定可能となり、算定点数が実質引き上げられた取扱いとなる。
 クラスターが発生、その後収束した社会医療法人弘仁会大島病院(伏見)から、逆にその経験を活かし障害者病棟でコロナ患者を積極的に受入れ、コロナ対応に貢献したいが、入院料が普段と同じ―との相談が協会に寄せられていた。京都府内には障害者病棟が75(21年2月1日現在)あり、当該病棟においてもコロナ患者を受け入れることが十分考えられることから、大島病院担当者とともに改善に向けて検討。病院は地元選出の自民党・木村やよい衆議院議員を通じて、入院料の改善を求めて厚労省医療課長へ直訴。協会も「『障害者施設等入院基本料』にコロナ患者に係る診療報酬の特例を求める要請書」を提出した。
 厚労省は、他からも同趣旨の要望があり検討するとしていたが、2月26日の事務連絡で、新型コロナウイルス感染症患者を、障害者施設等入院基本料を算定する病棟に入院させた場合、7対1入院基本料または10対1入院基本料の病棟は急性期一般入院料7を、13対1入院基本料の病棟は地域一般入院料2を、15対1入院基本料の病棟は地域一般入院料3を、それぞれ算定して差し支えない―と示し、大島病院と協会の要望が実現した格好となった。
 なお、当該取扱いについては、20年2月14日に遡って適用される。

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