医界寸評  PDF

コロナ禍の中で昼夜献身的に働く医療従事者の姿が連日報道され、マスコミや市民の間でも感謝の声が多かった。ところが昨年12月中旬から感染者が急増し、年末から年始にかけて、症状があっても入院できず、救急車を呼んでもたらい回しになり、自宅で入院待ちの間に亡くなる人も出てきた。病床逼迫・医療崩壊である▼すると一転して、日本は諸外国に比べて感染者は一桁も二桁も少なく、世界一の病床数を持っているのに何故医療崩壊になるのだという医療界たたきが始まった。特に民間病院の受け入れが悪いという論調が多かったが、少なくとも京都ではコロナの受入病院も、入院患者も公的と民間はほぼ半々である▼京都で病床が逼迫した時、協会は確保病床が720床で使用率も3割前後との発表に疑問を持ち、実際に可能な病床数の公表を求めた。結果は、すぐ使える病床は330床しかなく病床使用率は8割超になり、重症病床も86床と言っていたが、実際は30床で重症病床使用率も6割超で、ステージ4に跳ね上がった。ステージ4は絶対に避けねばならない▼同じ失敗を繰り返さないためにも、次の波に備えて、ステージ2以下に抑え込める適切な病床の確保が必要だ。大阪や神戸のようにコロナ専門重症病棟を30~50床作るべきではないだろうか。できれば公で、駄目なら民で。(彦)

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