患者さんに情報提供を 医療費控除について  PDF

 確定申告時において、医療費を一定金額以上支払っている場合は医療費控除として所得から差し引くことができます。また、2017年分の確定申告から医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制(対象となる医薬品を購入した場合の所得控除)が創設されています(2021年12月31日まで)。従来の医療費控除とセルフメディケーション税制は選択適用のため、重複して適用することはできません。医療費控除・セルフメディケーション税制は、本人分だけでなく生計を一にする配偶者やその他の親族分も対象となります。
 2017年分の確定申告から「医療費控除の明細書」の添付が必要となり、領収書の添付・提示は2020年分の申告よりできなくなりました。ただし、領収書は5年間保管する必要があります。「医療保険者等の医療費通知書(医療費のお知らせ等)」を添付する場合は、「医療費控除の明細書」への記載を簡略化でき、領収書の保存も不要です。医療費のお知らせ等に記載されているのは、保険診療に該当するもののみのため、自由診療や薬局での医薬品購入、交通費等は領収書に基づき「医療費控除の明細書」に記載する必要があります。
 医療費控除のみの還付申告については、確定申告期間以降でも取り扱いをしていますので医療費控除の適用が受けられる方は還付申告をして下さい。先生方はもちろん患者のみなさんにも周知下さい。

医療費控除対象の範囲

●通常の医療費

 ①医師、歯科医師に支払った診療費、治療費
 ②治療、療養のために必要な医薬品の購入費
 ③病院、診療所、介護療養型医療施設、介護老人保健施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設、助産所へ支払った入院費、入所費
 ④治療のためにあんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師に支払った施術費
 ⑤保健師や看護師または准看護師に療養(在宅療養を含む)上の世話を受けた費用および療養上の世話を受けるために特に依頼した人に支払った療養上の世話の費用
 ⑥助産師による分娩の介助および妊婦、じょく婦または新生児の保健指導の費用
 ⑦介護福祉士による喀痰吸引等または認定特定行為業務従事者(一定の研修を受けた介護職員等)による特定行為
 ⑧国民健康保険で療養の給付を受けた人の市町村や特別区または健康保険組合からの告知書などに基づいて納付した療養費の一部負担金
 ⑨次のような費用で、医師等による診療や治療などを受けるために直接必要な費用
 a.通院費用、入院の部屋代や食事代の費用、医療用器具の購入代や賃借のための費用で通常必要なもの
 b.自己の日常最低限の用をたすための義手、義足、松葉づえ、補聴器、義歯などの購入の費用
 c.身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、児童福祉法などの規定により都道府県や市町村に納付する費用のうち、医師などの診療費用またはa、bの費用に当たるもの
 ⑩公益財団法人日本骨髄バンクに支払う骨髄移植のあっせんに係る患者負担金(非血縁者間骨髄移植患者登録証明書兼患者負担金領収書の発行必要)
 ⑪公益社団法人日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植のあっせんに係る患者負担金(臓器移植患者登録証明書兼患者負担金領収書の発行必要)
 ⑫特定保健指導費(高血圧症、脂質異常症、糖尿病と同等の状態であると認められる基準を満たしている場合)

●特別な費用・施設の利用料金

 ①紙おむつ購入費用および貸おむつ賃借料
 ※ただし、イ.傷病によりおおむね6カ月以上にわたり寝たきり状態にあると認められる者、ロ.その傷病について医師による治療を継続して行う必要があり、おむつの使用が必要と認められる者。イロいずれにも該当し、治療を行っている医師が記載した「おむつ使用証明書」の添付または提示が必要。
 ※おむつ代の医療費控除を受けることが2年目以降で介護保険法の要介護認定を受けている一定の人は、市町村が主治医意見書の内容を確認した書類または主治医意見書の写しを「おむつ使用証明書」に代えることができる。
 ②ストマ用装具に係る費用
 ※退院後も継続してストマケアの治療を受ける必要があり、その治療上、適切なストマ用装具を消耗品として使用することが必要不可欠であると医師が認めて発行した「ストマ用装具使用証明書」の添付または提示が必要。
 ③温泉利用型健康増進施設(クアハウス)として認定を受けた施設で、医師の指導により温泉療養を行うための利用料金
 ※医師が発行した「温泉療養証明書」の添付または提示が必要。
 ※治療のために支払われた設備の利用料等であることを明記した認定施設の領収書の添付または提示、もしくは医療費控除の明細書への記載が必要。
 ④指定運動療法施設(スポーツクラブ等)として認定を受けた施設で、医師が治療のために患者に運動療法を行わせるために必要な利用料金
 ※医師が発行した「運動療法実施証明書」の添付または提示が必要。
 ※治療のための施設の利用料であることを明記した施設の領収書の添付または提示、もしくは医療費控除の明細書への記載が必要。
 ①~④の証明書については、証明年月日、証明書の名称、証明者の名称(医療機関名等)を医療費控除の明細書の欄外余白等に記載することで、添付または提示を省略することができます。ただし、その場合、証明書は確定申告期限から5年間保存する必要があります。

●介護保険関係

 ①施設サービス
 a.要介護度1~5の認定を受け指定介護老人福祉施設または指定地域密着型介護老人福祉施設に入所する人の介護費、食費、居住費の自己負担額の2分の1相当額
 b.要介護度1~5の認定を受け介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設または介護医療院に入所する人の介護費、食費、居住費の自己負担額、診療や治療を受けるために必要な特別室(個室等)の使用料
 ※対象費用の額が記載された領収書の添付または提示、もしくは医療費控除の明細書への記載が必要。
 ②居宅サービス
 居宅サービス計画または介護予防サービス計画に基づいて上表の対象となる居宅サービス等を利用する人の自己負担額
 ③介護保険制度下で実施される介護福祉士等による喀痰吸引
 医療系サービスとあわせて利用しないと医療費控除の対象とならない福祉系の居宅サービス等だけで利用し、かつ、当該居宅サービス等において実施されるもの。居宅サービス等に要する費用の自己負担額の10分の1
 ※「居宅サービス等利用料領収書(喀痰吸引等用)」の添付または提示、もしくは医療費控除の明細書への記載が必要。

●保険金などで補填される場合

 以下のような支払いを受けた場合は支払った医療費から差し引きます。
 ①健康保険法、国民健康保険法、家族移送費、家族出産育児一時金、高額療養費・高額介護合算療養費等の医療費の支出を給付原因として支給を受けたもの。
 ②損害保険契約または生命保険契約に基づいて医療費の補填を目的として支払いを受けた傷害費用保険金、医療保険金または入院給付金など(これらに類する共済金を含む)
 ③医療費の補填を目的として支払いを受けた損害賠償金
 ④任意の互助組織から医療費の補填を目的として支払いを受けた給付金

介護サービス等の種類

医療費控除の対象となる居宅サービス等
◎訪問看護
◎訪問リハビリテーション
◎居宅療養管理指導【医師等による管理・指導】
◎通所リハビリテーション【医療機関でのデイサービス】
◎短期入所療養介護【ショートステイ】
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合)
・複合型サービス(上記の居宅サービスを含む組合わせにより提供されるもの。生活援助が中心の場合を除く)

上記の居宅サービスと併せて利用する場合のみ医療費控除の対象となる居宅サービス等
・訪問介護【ホームヘルプサービス】(生活援助中心の場合を除く)
◎訪問入浴介護
・通所介護【デイサービス】
◎短期入所生活介護【ショートステイ】
・夜間対応型訪問介護
◎認知症対応型通所介護
◎小規模多機能型居宅介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合および連携型事業所に限る)
・複合型サービス(上記の居宅サービスを含まない組合わせにより提供されるもの。生活援助が中心の場合を除く)
・地域密着型通所介護(平成28年4月1日より)
・地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除く)
・地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスを除く)

医療費控除の対象となる施設サービス
<介護費・食費・居住費の1/2>
・指定介護老人福祉施設
・指定地域密着型介護老人福祉施設
<介護費・食費・居住費・治療等で必要な特別室の使用料>
・介護老人保健施設
・指定介護療養型医療施設
・介護医療院

医療費控除の対象とならない介護保険の居宅サービス等
・訪問介護(生活援助中心型)
◎認知症対応型共同生活介護【認知症高齢者グループホーム】
・特定施設入居者生活介護【有料老人ホーム等】
◎地域密着型特定施設入居者生活介護
◎福祉用具貸与
・複合型サービス(生活援助中心型の訪問介護の部分)
・地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスに限る)
・地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスに限る)
・地域支援事業の生活支援サービス

◎印は介護予防サービスも同様
※自己負担額(対象費用の額が記載された「居宅サービス利用料領収証」)の添付または提示が必要

新型コロナウイルス感染症関連

医療費控除の対象となる医療費
●医師等の判断によりPCR検査を受けた場合
※ただし、医療費控除の対象となる金額は、自己負担部分に限ります。
●オンライン診療料として医師等による診療や治療のために支払った費用
●オンライン診療に係るシステム利用料
●オンライン診療で処方された医薬品の購入費用

医療費控除の対象とならない医療費
●新型コロナウイルス感染症を予防するために購入したマスク
●病気予防のためのビタミン剤の購入費用
●自己の判断により受けたPCR検査の検査費用
※ただし、PCR検査の結果、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行った場合には、その検査は、治療に先立って行われる診察と同様に考えられ、医療費控除の対象となります
●オンライン診療で処方された医薬品の配送料

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