医界寸評  PDF

 新型コロナウイルス感染症拡大は、遅まきながら出された二度目の緊急事態宣言で抑制がかかったかに見え、エビデンスがないとされたGoToキャンペーンを含め、人の動きを抑える有効性をあらためて示した。更なる鎮静化を期待していよいよワクチン接種が始まろうとしている▼当地でも市から実施計画原案が提示され、これは大変な事業だと再認識させられた。個別、集団の二本立てとなっているが、個別では1日12人をこなし、日曜日も行う集団接種には最低週1回の出務が必要となる▼午前診が1時までに終わることが稀で、下手をすると3時を回ることがあり、昼食を掻き込んで訪問診療へ。こんな日常に上乗せの業務。さらには入居者、職員合わせて200人に迫る高齢者福祉施設の接種も加わる。ワクチンの有効時間に制限のある中、個別予約の調整は? 予約時刻通りに来てくれなかった場合の対応は? 飛び込みの急患があったら…。考えるだけでおつむクラクラの世界だ▼通常診療が続けられるのだろうか? イヤイヤ人類の非常事態にぼやいている場合ではない。半年間ひたすら打ち続けるしかない! そうか、考えてみればかかりつけ患者さん以外の接種希望者なんてほとんどないかもしれないよね。案ずるより産むが易しとなることを期待して、とにかく行ってみよう。(呑鉄童)

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