私のすすめるBOOK 痔主の痔主による痔主のためのコミックエッセイ あまりに痛そうで笑撃です  PDF

『私のお尻のメッセー痔』
ぴあ株式会社
本体価格 1,100円+税
著者 ヴェルヘルムⅢ世

 『私のお尻のメッセー痔』。なかなかインパクト抜群のタイトルです。SNSで発信された痔主のコミックエッセイが、1冊にまとめられ発刊されました。著者のかかりつけ医が協会の渡邉賢治副理事長(西陣・渡邉医院)で、この漫画にふんだんに出演されており、巻末に紹介ページまで掲載されています。そのご縁で手に取ることになりました。
 著者は女性です。「痔」だと周りに言いたくないだろうに、外痔核のあまりの痛さに有休をとり病院へ。痛み止めの座薬を手に地獄の苦しみを味わった14日間を耐えに耐え、治ったと思ったら今度は内痔核で入院し手術。外痔核の治療から4年経過後とは言え、心のダメージは大きかったのではないでしょうか。
 また著者は、あまりの痛さに短歌で現実逃避という荒業を繰り出します。
 「ナメクジのはうスピードでアイロンをかけるが如き痛み走らん」「近づくと身の毛もよだつ便意かな かすかに見えし今は亡き祖母」「サクランボ トマトにすもも 深海魚 私のお尻はワンダーランド」
 すみません、思いっきり笑ってしまいました。
 ストレスの多い現代社会では、日本人の3人に1人は痔を持っていると言われているそうで、便器を憎む境地にまで至った著者ですが、行き着いた先はこのポピュラーな病に「もっと市民権を」「もっとスマートに」「もっとエールを」ということでした。
 すごく痛そうな話をおもしろおかしく読ませていただきましたが、とにかく痔にはなりたくない…と強く思いました。巻末にはお尻の悩みQ&Aや、友人の痔体験なども掲載されています。著者のSNSは悩みを持つ人の交流の場になっているようです。興味のある方はぜひ手に取ってみて下さい。
(事務局・二橋 芙紗子)

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