医界寸評  PDF

 母をデイサービスに迎えに行き、しばらく母の家で2人の時間を過ごす。着替えを終え母を寝かし家に帰る道、今までの暑さはなく、涼しくなっていた。夏の終わり、そして秋の気配を感じる夜である▼見上げてみると、満月ではないが大きな月が浮かんでいた。その月を見ながら、「大切な人を守る。それは、いつもそばにいること? いつも一緒に寄り添うこと? 大切な人は、近くにいなければ守れないのか?遠くにいては守ることができないのか?」とフッと頭に浮かんだ。秋の気配のせいか。新型コロナ禍、人の本質、人の生き方が問われている。またその本質が良くも悪くも見え隠れする。今の時代、いつまでも人を優しく包み込み相手を思いやる、そんな人間で居続けたい▼国や自治体も同じだ。国や自治体の出す政策に、国や自治体の本質、真の姿が見えてくる。そしてその本質が問われてくる。新型コロナ禍の中、国や自治体が苦しいのは解る。私たちも同じである。だからこそ、国民や市民に寄り添う、そしてすべての人々を優しさで包み込む。そんな国や自治体でいてほしい▼苦しい時ほど、人々の命と健康、そして生活を守る社会保障の充実に向けての政策転換に舵を切る国であってほしい。そして私たちは、それを求める運動にこれまで以上に取り組んでいかなければならない。(治)

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