医界寸評  PDF

 酷暑でマスクや防護服は辛い。巷の話題は新型コロナ関連圧倒的▼『感染症の世界史』(石弘之氏著書)より。09年の新型インフルエンザ流行でWHOが警戒レベル最高の「フェーズ6」を宣言。結果は弱毒性のインフルエンザで大流行にはならず。そのトラウマで14年のエボラ出血熱時には対応が後手に回りWHOに批判が集中。09年の非常事態宣言を受けて日本は2500万回分を320億円で輸入したが、最終的に1600万回分が廃棄処分にされ、800万回分は90億円の違約金を払って解約。欧州評議会は特別委員会を組織してWHOと製薬会社の癒着を追及した。今回、厚生労働省の加藤大臣が製薬会社の2社から計1億8000万回分のワクチン供給を基本合意したと言っており、以前の失策への評価もなく税金を使う責任を取れるか▼新興感染症は森林破壊が引き出したウイルスとも言われる。生物多様性保護の科学者団体の副会長は「新興感染症の75%は動物に起源があり、森林破壊によって本来の生息地を追われた動物たちが人里に押し出されて病原体を拡散させるようになった」と警告している▼傍若無人なコロナの襲来、酷暑も呉越同舟、夏のマスクは夏炉冬扇。四面楚歌、風評被害の寸鉄殺人。政治家発言の疑心暗鬼に四苦八苦。外国の熟慮断行を他山の石として臥薪嘗胆、終結祈願(名)

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