主張 協会融資、運転資金の条件緩和 医療経営の一助に  PDF

 例年ならこのシーズンは、花粉症やそろそろ始まる学校健診で患者さんが多くなるはずが、今年は健診は中止。これ以上患者が増えることはなさそうである。つい先日までテレビに出ていた有名タレントが新型コロナウイルス肺炎であっけなく亡くなり驚いていたところに、スタッフの1人から連絡があった。息子さんが勤めるバイト先で感染者が出て、家族全員が自宅待機となった。幸い(でもないが)、患者数が減りシフトはそのままで業務をこなしてもらうことにした。いよいよコロナウイルスが身近に迫ってきた。昨年の消費税増税、そして診療報酬改定による不安に追い打ちをかけられた。間違いなく収入は下がるであろう。実際、医療機関を受診する患者が大きく落ち込んでいると聞く。協会の斡旋融資制度では運転資金の低利はそのままに協会手数料を無料とした(関連3面)。少しでもお役に立てれば幸いだ。
 個人的な話となるが、不覚にも協会の融資制度を知らないまま、一般の開業資金の融資を受け辛い思いをしたことを覚えている。利率など融資条件の良い銀行だと思ったが、担保がいると言われた。そんなものはない。自宅の土地建物を提示したが、当時ちょうどバブルが崩壊し土地価格は下がり、担保価値が低いと言われた。仕方なく言われるがままに生命保険証書を差し出した。前理事長ではないが、“死んでたまるか”という気持ちであった。何とか昨年証書が手元に戻ってきたが、もっと早くに協会を知っておけばとの思いで、協会の融資制度を広く利用していただけるよう活動中である。
 会員も徐々に高齢化してきており、これからはもっと若い勤務医に種々の制度を知っていただきたい。特に、新規開業の医師には是非とも入会して融資制度を利用してもらいたい。
 一方で、開業医にとって悩ましい税制をめぐる課題にもこれからますます対応していかなくてはならない。消費税問題やマイナンバー制度については今後しっかり注視し発言していく必要がある。不安材料となる国税局に対しては、保団連近畿ブロックと連携し、2月20日に交渉にあたった(関連3面)。昨年近畿ブロックで協会会員に実施したアンケート結果をもとに国税局から回答をもらった。しかし、“国税庁に伝える”“上に伝える”と曖昧な言葉で終わるのは相変わらずであった。明確な回答を求めていくためにも、会員からの具体的、積極的な発言をお願いしたい。

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