主張 政治のあり方問う沖縄県民投票  PDF

 今年2月沖縄で「国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋め立てに対する賛否について」の県民投票が行われた。投票資格者総数115万、投票総数60万、埋め立て賛成11万、埋め立て反対43万、どちらでもない5万で、反対が投票総数の実に71%を超える結果になった(いずれも票数は1万以下切り捨て)。反対43万という数字は、現・玉城沖縄県知事の得票数39万を超える数である。国民が持つ政治への二つの意思表示である選挙と住民投票、その両方で明確な異議申し立てである。それでも国は埋め立てを強行する。
 国と沖縄県はいくつもの法的対立があるが、4月になり沖縄県が行った「埋立承認撤回」に対し、国交大臣は行政不服審査法に基づき取り消し採決を行った。しかしこの行政不服審査法は、憲法で国民に与えられた基本的人権をはじめ国民の権利の救済を目的としていて、国はその適用除外とされてきた。今回国は行政不服審査法上の国民になりすまして、審査請求や執行停止申し立てをするなど、法の趣旨をないがしろにした明らかな誤用・悪用を行い、それを承知で国交大臣は国に有利な決定をしうることになる。昨今政権の立憲主義や国会軽視の風潮が懸念されているが、ここにもそれが表れているのではないだろうか。
 防衛問題は国の専権事項といわれ、日米安保条約や日米地位協定が優先され、地方自治は軽視されがちである。しかし憲法は、国民が国土のどこに住んでいようとも、国民主権、基本的人権、平和主義、民主主義、そして地方自治もあまねく保障している。そうであるのなら、沖縄に集中する基地の問題や、沖縄県民投票で示された異議申し立てなどは、沖縄の問題にとどまらず、私たちに突きつけられた、私たち自身の立憲主義や民主主義、そして政治のあり方、地方自治のあるべき姿などが問われる問題ではないだろうか。

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