医界寸評  PDF

 12月8日未明、改正入管難民法が成立した。時間の問題ではあったが、78年前の真珠湾奇襲攻撃による太平洋戦争開戦と同じ日になったのは皮肉である▼介護、医療の人手不足が叫ばれて久しい。改正法が流れを変えてくれるのか? ほとんど期待できそうもないと感じるのは、田舎の介護事業で日々痩せる思い(実態はストレス太り)のひがみかも。肝心な中身はほとんどが先送りだ。現実とどう結びついていくのか全く見えない。疑惑にまみれた調査データ等根幹からお粗末である▼ハローワーク、新聞広告、折り込みチラシetcあらゆる手段を講じても反応なし。思いあまって外国人スタッフ導入を打診してみれば、わき上がる現場のアレルギー反応。まさに「どうすりゃいいのさ思案橋」の心境である。追い打ちをかける過疎による利用者の先細り。高さを増す報酬算定へのハードル、ままならぬ職員の処遇改善。悩みは尽きない。どころか、増していっているのでは▼お先真っ暗の中でのわずかな光明は、去って行ったスタッフが「やっぱりここがよかった」と言っての再就職増加。でも、これとて総数が増えたわけではなく、限られたパイの移動に過ぎない。何とか見通しをつけての世代交代を目論むが、まだまだイバラの道は続いていく。(呑鉄童)

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