医療費控除など改正点を中心に解説 白色確定申告説明会開く  PDF

 協会は鴨井勝也税理士を講師に、2017年分白色確定申告説明会を2月15日に開催。2017年分確定申告の所得税についての主な改正点等を解説するとともに、申告書の書き方について説明した。参加者は14人。

所得税等の改正点

 主な改正点は医療費控除関係。新設されたセルフメディケーション税制は、2017年1月1日から2021年12月31日までに、自己または生計を一にする(扶養していなくても良い)配偶者その他親族に係る対象医薬品等の購入費を支払った場合において、申告者本人が健診等の一定の取り組みを行った場合、購入費の合計額が1万2千円を超えるとき、その超える部分の金額(8万8千円を限度)を控除できる。従来の医療費控除との選択適用となる。
 従来の医療費控除においては、「医療費の明細書」の提出が必要となった。従来提出していた領収書は提出・提示が不要となるが、5年間保管しなければいけない。「医療費の明細書」の代わりに、「医療保険者等の医療費通知書(医療費のお知らせ等)」を提出する場合は、領収書の保存は不要。なお、2019年分までは、従来の領収書の添付等で確定申告ができる。医療費通知書は、保険者によって様式が異なり、記載必須項目が表記されていない場合があるので注意する。

申告書の書き方の留意点

 ふるさと納税を行った場合は、申告書第二表においては⑯に記載するとともに、住民税欄の「寄付金税額控除・都道府県、市区町村分」にも納税額を漏れなく記載する。小規模企業共済等掛金は、個人事業主等のための積み立てによる退職金制度。所得税・住民税の減税、万一院長が亡くなった場合の死亡退職金の受け取り、相続税非課税(法定相続人1人500万円まで)対象等のメリットがあるので、活用したい。

2018年分以降の改正点

 2018年分より、配偶者控除および配偶者特別控除が見直される。配偶者控除は、居住者の合計所得金額が900万円を超えると控除額が逓減し、1千万円を超える場合は適用できないことになった。配偶者特別控除では、配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下に拡大された(改正前:38万円超76万円未満)。その他、民法改正案で配偶者居住権(婚姻期間が20年以上の場合に、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居を遺産分割の対象とみなさない)の新設等が検討されていることを受け、今後相続税法の改正についてもその動向に注意する必要がある。

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