綴喜医師会と懇談  PDF

2月3日 新田辺駅前CIKビル
国描く在宅医療と地域の実情乖離を指摘

 協会は、綴喜医師会との懇談会を2月3日、新田辺駅前CIKビルで開催。地区から9人、協会から6人が出席。綴喜医師会の森岡稔勝副会長の司会で進められた。
 冒頭、芳野二郎会長は、これから団塊の世代が高齢化し、支える側の人口が減っていく2025年に向けて、綴喜医師会でも地域医療構想・地域包括ケア・国保の都道府県化・消費税増税等への対応をしていかなければならない。国保の都道府県化について、40代夫婦・子ども2人で所得が300万円の世帯では、現行年間約44万円であった保険料が約54万円となり、2割強高くなる。これではやっていけない。消費税についても景気が低迷しており、医療は非課税でやっている中で、8%から10%へ、そしてさらに15%へと引き上げることを国は考えている。我々医療機関も非常に大きな影響を受けるのではないかとあいさつした。その後、垣田理事長のあいさつ、協会から情報提供の後、「診療報酬・介護報酬同時改定」「医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題」について意見交換を行った。
 地区から「国保都道府県化の狙いは何か」との質問が出され、協会は「都道府県化の目的は、各都道府県での医療費を自らで管理しなさいということであり、医療費が増えればその分保険料も上がることになる。府民・市民は医療費を使わないように努力しなさいということ。要するに医療費抑制が最大の目的だ」と述べた。
 医療提供体制について、地区は「国が在宅医療を充実させると言っており、開業医として在宅医療をせざるを得なくなるだろう。ただ、医師1人の医療機関で24時間・365日診るのは不可能だ。患者をどんどん在宅へ移行させると、在宅医療を担う医師もそれだけ必要になってくる。現状では在宅医療に携わる医師が足りていないのではないか」と国が推進する在宅医療と地域の実情の乖離を指摘した。
 その他にも協会は、医師偏在問題について「京都府は面積比で言えば北部と南部では問題があるが、人口比で医師数を見ると、そこまで問題ではない。自由開業制の規制についても、2年ぐらいで方針が出されるのではないか。かけこみ開業への対策も考えられており、本気でやるつもりだろう。開業規制をした場合に、新しい医療機関が増えず、その地域での医師のモチベーション、京都府全体の医療水準が下がるのではないか」と指摘した。
 最後に森岡副会長より、「きめ細かい情報提供に感謝している。綴喜医師会員にも周知し、活動に活かしていきたい」と閉会のあいさつを行い、会を締めくくった。

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