医界寸評  PDF

改定の春である。2月7日に中医協の答申がなされ、診療報酬の基本が明らかになった。これから出てくる通知、告知で運用が変わる部分があろうが、本体プラスの改定内容がベールを脱いだのである▼保団連の「点数表改定のポイント」編集会議も始まった。プラス改定といっても、大多数の医療機関で算定可能な項目が増点されなければ意味がない。この視点から見てみると、長年にわたり要望してきた内容が、ある程度反映された部分が認められるのは、評価に値する▼しかし、「複雑すぎて理解するのに多大なエネルギーを要する」「面倒臭いからどうでもいい」と疎んじられる内容は、更にその度合いを増しているように感じられる。基本点数は引き下げておき、種々の届出をして認定されたら加算が付いて、トータルでようやくプラスになるという設定が目立つ。ここ数回の改定ごとに複雑さを増し、ニーズと裏腹に新規参入にブレーキがかかっている在宅医療もまた然り。在宅時医学総合管理料で最も適用の多い項目が引き下げられ、要介護度等一定条件を満たす場合に加算を設定して、加算が付けば50点増点となる仕組み▼かかりつけ医機能を有するところに初診料で加算を設定するに至っては、あえて高くつく医療機関を選ぶ患者さんているの?の世界である。(呑鉄童)

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