高齢者福祉分野 介護保険制度のスムーズな出発  PDF

 私が保健福祉局長に着任した当時、2001年からスタートしていた介護保険制度が第2期に突入した。当時出演したKBS京都のテレビ番組で「京都市の介護保険は最悪」とのテロップが出された。「最悪」が意味するのは不正請求が多いこと、保険財政が赤字であることだった。私は「京都市の介護保険は保険者にとっては最悪かもしれないが、利用者にとっては最善だ」と述べた。不正請求の実態が明るみに出たのは、京都府・京都市の協調した不正摘発の取り組みがあったからである。また、保険財政が赤字であるということはサービス利用が進んでいるからであり、その背景として、京都市では制度施行前から施設や在宅サービスの人材養成など、基盤整備が進んでいたからである。第2期以降は給付対象者数や介護認定率の増加はなだらかになっていった。

ページの先頭へ