核兵器なき世界へ  PDF

核兵器禁止条約を好機に

 核兵器を法的に禁じる核兵器禁止条約が国連で7月7日に採択されたことから、「核兵器のない世界」へ向けた機運が高まっており、核保有国とともに条約会合をボイコットして「署名することはない」とした日本政府に条約への参加を促し、核保有国を動かすことが大きな課題となっている。

ヒバクシャ国際署名の取り組みを

 現在すすめられている具体的な運動の一つに国際署名運動があり、核兵器の禁止を願う300万近い署名が国連会議のホワイト議長に手渡されている。
 この署名をさらに広げていくため、京都では「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名を大きく広げる京都の会(ヒバクシャ国際署名京都の会)」の設立総会が7月15日に開かれた。同会には28団体が賛同し、反核京都医師の会と京都府保険医協会も参加している。総会では、山田啓二京都府知事や門川大作京都市長ら府内8首長も署名したことが紹介され、2020年までに府内で50万人の署名を集める目標を決めた。引き続いての署名協力をお願いしたい。

日本の医師が行動するとき

 そんな中、8月9日の朝日新聞に「核廃絶と医師 命を原点に運動広がれ」という社説が掲載された。少し紹介すると、「非人道性を医療の観点から裏づけ、(核兵器禁止の)議論を主導したのが、党派色をもたず中立的な核戦争防止国際医師会議(IPPNW)」で、「国際舞台で医師が果たした貢献は計り知れない」としつつ、「国内に目を転じるとさびしい現実がある。85年にノーベル平和賞を受賞したIPPNWの会員は数十万人いるといわれるが、日本支部は3千人ほどにとどまる」。そして最後に、「非人道的な核兵器から人命を守るには核廃絶しかない。そんな認識が世界に広がるいま、日本の医師は、何を考え、どう行動していくのか。これからの歩みに、世界の目が集まる」と結んでいる。IPPNW京都府支部もまた例外ではなく、会員に広がりを欠いたまま高齢化が進んでいる。一人でも多くの京都の医師が、この運動に賛同して入会していただきたい。

 ※「反核京都医師の会」は、「核戦争防止・核兵器廃絶を訴える京都医師の会」「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)京都府支部」の略称であり、1982年9月に結成された医師・歯科医師の団体。事務局は京都府保険医協会にある。本号にニュースを同封しているのでご覧いただきたい。

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