第70回定期総会基本方針  PDF

1.国民皆保険制度を守り発展させる ―地域に根付く開業医の正当な評価を
●世界に羨ましがられる日本の国民皆保険制度の大切さを訴える
●「新専門医制度」や医師の働き方改革をめぐる議論で明らかになった、日本の医療を取り巻く諸課題について議論を尽くすこと。特に、国民の医療を実際に担う地域の開業医からの意見を真摯に聞き、制度に反映すべきである
●医師偏在問題については、安易な上からの配置・管理制度を導入しない。一方で、医療の地域格差の解消は大切な課題であり、実態把握を含め対策を検討する
●国民医療を担う医師の養成については充分な議論が行われ、専門職としての医師の能力が充分に発揮できる制度づくりが必要である
●国民皆保険制度を支える開業医の日常の仕事と役割を、広く患者・市民に知らせる
●日本の開業医が、高い専門性に裏付けられた質の高さを保持していることを、国に認識させる
●開業医が、学校医、産業医、介護認定審査会委員等、地方自治体の保健・医療・介護施策に従事し、社会医療の担い手として医療行政を支えていること。その役割が掛け替えのないものであることを地方自治体に再認識させる

2.医療・社会保障で、みんながしあわせになれる社会をつくる

●社会保障基本法制定運動を通じて、日本を社会保障・福祉重視の国=新たな福祉国家への転換を目指す
●医療・社会保障分野の新自由主義改革に対抗する取り組みを進める
●医療産業化路線に反対し、公的な医療保障制度を守り、拡充する
●国民皆保険制度を破壊するTPPや日米FTAに反対し、共同運動を堅持する
●市町村国保の都道府県化を入口にした地域保険化構想の狙いを明らかにし、あるべき医療保障制度の対案を国に対し示す
●2018年診療報酬改定に向けて、臨床現場からの正当な要求の実現を目指す
●高騰する薬剤価格、医療材料価格などの適正化を求める運動を進める
●診療報酬の審査は保険医の医学的判断を尊重し、経済的観点優先の審査とならないように求める。保険者による直接審査に反対し、基金・国保両審査委員会における三者代表による民主的・中立的な審査の確保を堅持することに努める
●指導は医療費圧縮を目的としないことを求め、平均点数が高い医療機関を対象とする集団的個別指導、個別指導に反対する。また、個別指導は懇切丁寧に行わせるとともに、対象となった会員の人権や保険医の権利を徹底的に擁護し、弁護士の帯同、録音の取り組みを進める
●公的医療費の総枠拡大と保険料ならびに患者窓口負担の軽減を目指す
●受診抑制をなくし、医療機関での一部負担金未収問題の解決をはかる
●消費税については、その是非を含めて会内で議論を深め意見集約を行う

3.地域医療を取り巻く課題に取り組む

●国が進める地域包括ケアシステム構想の問題点を明らかにし、公的な医療・介護保障による地域の医療・福祉体制確立を目指す
●介護保険制度の実質的後退に反対し、真の介護保障制度の確立を目指す
●地域で進行する「孤独死」「孤立死」問題への対応と、それらを当然視する国の開き直りを許さない
●都道府県や市町村の医療・介護給付の抑制主体化を押しとどめるため、地方自治体の医療政策に積極的に発言し、参画する
●京都市機構改革による地域の保健衛生行政後退の危険性に対し、歯止めをかけさせる
●京都市地域リハビリテーション推進センター、児童福祉センター、こころの健康増進センターの合築問題等、自治体レベルで発生する具体的な医療・福祉問題に機敏に対応し、運動を組織する

4.安心・安全の医療を提供する

●医療を受ける側、提供する側の信頼の上に成り立つ医療を提供する
●安心して医療が提供できるように、医療安全対策の充実を図る
●医療の不確定性について、国民的理解を深めるように努める
●医療事故調査制度の動向を注視し、目的である医療安全と再発防止のために制度が機能するように求める

5.命と健康を守るという医療者の原点に立ち返った研究・検証活動を重視する

●命と健康の最大の敵である戦争へと向かうあらゆる流れに反対する
●日本を戦争ができる国にする9条改憲阻止や「安保法案」廃止に向けて運動を進める
●個人の内心を罰するテロ等準備罪(共謀罪)の廃止を求める
●特定秘密にかかわる業務に携わる上での適正評価を医療者に行わせることは、患者のプライバシー、人権否定につながる重大事である。このようなことを医療者に押しつける特定秘密保護法の即時廃止を求める
●被爆国日本の医師として、核兵器廃絶・核戦争防止を世界に訴える
●「福島」は終わっていない。市民の被曝と健康被害に向き合う地域の医師の基本的なあり方についての検討を進める。同時に、「脱原発」実現を目指し、世界に向けても原子力発電所の危険性を広く知らせる
●日本の医療者による過去の医学犯罪にかかわる事実の検証と確認を行い、現在、そして未来へとつないでいける「医の倫理」問題に取り組む
●科学研究費名目による防衛予算拡大や軍事研究推進に反対する

6.諸分野の団体と協力・協働し、国民の社会保障発展に寄与する

●九条の会アピールを支持する京都医療人の会と憲法九条京都の会
●京都社会保障推進協議会
●京都のリハビリを考える会
●子ども医療費無料制度を国と自治体に求める京都ネットワーク
●全国保険医団体連合会(保団連)、保団連近畿ブロック
●TPP反対京都ネット
●バイバイ原発きょうと実行委員会
●反核京都医師の会
●福祉国家構想研究会
●リハビリテーション関連職種との連携運動

7.保険医の仕事環境の改善と生活支援に取り組む

●必要な情報とサービスへの迅速なアクセスを保障するための協会・アミスのホームページのリニューアル
●会員と患者さんを結ぶツールとしての「クリニックなび京都(医療機関情報紹介)」システムの整備
●新規開業融資の利率引き下げ・手数料無料キャンペーン期間の設定など、開業を志す先生方をサポートし、不安のない開業を保障するための包括的な開業支援サービスの強化
●勤務医を中心とした若手医師の日常生活をサポートするとともに、不安や要求の受け皿となる活動の強化
●地区医師会との連携のもと、地域医療を担っているすべての先生に協会会員になっていただくための対策の強化
●アミスを通じて提供できるサービスや商品の拡大強化
●従業員の安定雇用の相談業務や労務対策への対応強化
●会員に安心して医療に取り組んでいただくための医療安全対策の充実
●震災、水災等へ会員が遭遇する被害に対する迅速な支援の強化
●生活諸課題のサポート(身近な法律相談、税理士、社会保険労務士等)

8.会員の親睦を深め、京都府保険医協会を守り発展させる

●会員に寄り添い、親しまれる事務局づくり
●協会の多彩な文化活動を充実し、さまざまな楽しい企画をより多くの会員に活用していただく
●会員数を増やし、強固な組織をつくる

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