公的強制力の評価拮抗  PDF

 診療科や地域による医師偏在を解消するため、行政や公的機関が「一定の強制力」を発揮する必要性について、「必要」は7%だが、「ある程度必要」の40%と合わせると47%となった。一方で「不要」は31%で「あまり必要でない」の16%と合わせると47%となり、拮抗している。(図1)

定数制「不要」は 7割

 「保険医定数制の導入」で規制を強めることについては、「不要」が48%、「あまり必要でない」21%と合わせると69%。「必要」は2%で、「ある程度必要」の19%と合わせても21%にとどまった。(図2)

自由開業制「維持」6割

 「自由開業制の見直し(就業地、診療科、開業の規制)」については、「不要」が38%、「あまり必要でない」19%と合わせると57%。「必要」は6%で、「ある程度必要」の29%と合わせて35%となった。(図3)

標榜制限「必要」は5割

 「自由標榜制の制限」については、「不要」は32%、「必要」は「専門医資格の有無と連動」が24%、「それとは別の方法で制限」が30%で「必要」が上回った。(図4)
 「偏在問題」について医師統制を強める以外の方法で解消するとしたら、どのような「工夫」をすべきかとの意見記載には、▽過疎地での優遇(患者負担に影響しないかたちでの加算、自治体による資金援助、税の優遇)▽大学医局制度を基幹とした人員配置▽過疎地に公的医療機関をつくり行政責任で医療提供▽卒業後一定期間は僻地勤務を義務化▽医師自身あるいは医師会の合議でコントロール―といった意見が多く見られた。また、「人がいなくなっている地域に医師増員は困難であり問題解決にならない。人の集まる地方に変えれば自ずと解決する」などとする意見も複数みられた。
 これらの結果からは「医師偏在問題」に対して、総論では現状に何らかの対応が必要と感じている会員は一定割合あるものの、それが規制的に行われることに否定的な割合も高いことがわかる。保険医定数制や自由開業制の見直しなど具体的になれば、さらにそれが高くなる。
 国は、医師偏在対策と医療費の地域差縮減政策を一体的に進めるため、都道府県単位の提供体制管理を強化しようとしている。
 一方で、そうした医師偏在解消を名目にした強制配置を避けるため、日本医師会は自ら適正配置に乗り出すことも視野に全員加盟の医師団体が必要と提言している。
 これまで、自由開業制やフリーアクセスといった特性が日本の皆保険制度を支えてきたとされる。「医師偏在」の解消を名目に、公的であれ、医師団体自らが行うのであれ、規制的に行うことについてどう考えるのか。開業医のあり方そのものが問われることになる。

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