シリーズ 環境問題を考える 134  PDF

Imagine …できない…

 想像してごらん? 天国も地獄も国も宗教も所有欲さえもない世界を…
 人が皆、穏やかに平和に生きている世界を…
 こんなことを言う僕は、夢想家なのかもしれない。でも僕一人じゃないはず…
 いつかみんなは仲間になって、世界は一つになるんだ!
◇   ◇
 “Imagine”1971年に J.Lennon/Y.Onoにより発表された名曲の要約です。
 この曲が平和運動に与えた影響は絶大であり、存命であればノーベル平和賞あるいは文学賞の受賞もあり得たと私は思っています。
 しかし、天国がないのは宗教者にとっては都合が悪いようで、英国では葬儀での使用は禁止されているとか…。また競争がない・所有欲がないのは共産主義的な考えであると非難する人や、こんなことを考えられるのは、恵まれた世界いる人間の戯言に過ぎないと揶揄する方も多いようです。
 確かに争いのない世界に進歩は乏しいでしょう。人類史上最も科学技術の向上に貢献した事象は悲惨な戦争に他なりません。
 では、何のための発展・進歩なのでしょう? 幸せとは何なのか? 国家・宗教とは?…。この曲の発表より40数年、現在の世界情勢はある意味冷戦時代より混沌とした状況になっています。地球環境問題においても、アメリカはパリ協定よりの脱退を表明してしまい、その他各国にも独善的・排他的勢力の拡大が見られます。権力・既得権益維持のためには、自国民すらも大量虐殺を厭わない独裁者も複数存在しているのです。
 地球全体より自国益を優先しつつある現在。地球環境の将来は暗澹と思わざるを得ません。Beautiful Dreamer でありたいと思いますが、現実世界はそれを許さないでしょう。私には多くの欲望を理性のコントロール下に置くことなどできなさそうです。Imagine…できない…。
追記
 Lennonは1980年12月8日に射殺されましたが、この12月8日という日には、偶然とはいえ多くの歴史的出来事が善悪取り混ぜ起こっています。
 1941 真珠湾攻撃
 1987 レーガン・ゴルバチョフ中距離核戦力全廃条約調印
 1995 もんじゅNa漏れ事故、古くは御釈迦さまが悟りを開かれた日(成道会)でもあるようです。
(環境対策委員長 武田 信英)

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