シリーズ 環境問題を考える 133  PDF

地球温暖化をもう一度考えよう

冬も終わりに近づくと「今年の冬は寒かった?」「いや、それほどでもなかった」なんて話に花が咲きます。極端に雪の少なかった去年の冬は別として、今年の冬は「地球温暖化」という言葉を忘れるくらい寒い思いをした人も多いのではないかと思います。
地球温暖化と聞くと、誰もが「気温が上昇する」というイメージを持つかもしれません。しかし、実はこのまま地球の温暖化が進行すると「日本の冬は今よりも寒くなる」という見解もあるのです。確かにここ数年、日本の冬は異例の大雪や全国的な寒波に見舞われています。これらは単純な自然現象ではなく、実は地球温暖化が影響している可能性が高いのです。
その大きな原因は、地球温暖化による北極の氷の減少です。現在、北極海の氷の面積は、地球温暖化によって過去最小を記録しました。そして、氷の量が減少することで、シベリア沿岸部を移動する低気圧のルートが変化するという結果が明らかになりました。通常は東に移動するはずのシベリア低気圧が、氷が少ない年ほど、北よりのルートに変更される傾向が強いということが分かったのです。
このルートの変化によって、より強い寒気が南方向、つまり日本方面にも押し出しされているというのです。温暖化が進行することで日本の冬が寒くなるもう一つのカギは、海氷の持つ断熱効果に関係します。海氷は太陽から吸収した熱を反射効果によって遮断したり、逆に地球の持っている熱を溜め込む働きがあります。つまり、地球の温度をコントロールしてくれる「断熱材」のような働きを持っているのです。しかし現在は、温暖化によって海氷の量が年々減少傾向にあります。これによって、地球はせっかく吸収した熱をキープすることができず、どんどん大気へ放出してしまうのです。
地球温暖化は人体にダイレクトにさまざまな影響があるだけでなく、異常気象や経済的ダメージなどさまざまな負の影響を及ぼします。私たち一人ひとりが省エネを心がけたり、国全体や自治体がいろいろな方面でのダウンサイジングを心がけることでそれが防げるなら、そこは人類の知恵の見せどころと思ったほうがいいのかもしれませんね。
(環境対策委員・京都府歯科保険医協会副理事長 平田高士)

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