左京医師会と懇談  PDF

2月18日 ウェスティン都ホテル京都
遠隔診療と京都市の医療福祉行政で意見交換

協会は、左京医師会との懇談会を2月18日に開催。地区から21人、協会から6人が出席した。
左京医師会の伊地智俊晴副会長の司会で開会。同医師会の出木谷寛会長が「将来に対して不安、心配に思っていることは、今後普及が予想されるオミックス医療(注1)、ゲノム医療などの新しい医療の特許について、アメリカ、イギリス、中国が抑えにかかっていることだ。我々の医療費がどんどん海外に流れていくことになる。国民の健康を守るためには致し方ないという意見もあろうが、悲しい思いを持つ」とあいさつした。協会より鈴木由一副理事長のあいさつ、各部会からの情報提供を行い意見交換に移った。
まず、「インターネットを用いた遠隔診療」について、地区より「遠隔診療は、どれくらいの医療機関で実施されているのか。例えば、離島等の遠隔診療と、都市部での実施数は」との質問が出された。協会から「実施医療機関は後日確認したい(注2)。今回問題になっているのは、都市型のインターネット画像・音声による診療であり、特に薬剤の取扱いが問題となっている。ネット診療の場合、医療機関からの薬剤の郵送は黙認されている(注3)」と返答した。
次に、「京都市の子ども若者はぐくみ局創設、保健センター・福祉事務所の統合」について、地区より「はぐくみ局構想を見ると、従来の縦割りの発想を崩して横断的な発想を持っているので、悪い点ばかりではない」との意見が出された。これに対して協会は「はぐくみ局は子どもをワンストップで見ていくとしているが、障害があるとされた時点で保健福祉センターの管轄となり、ワンストップではない。障害の有無で区別されてしまう。グレーゾーンの人がどこに行ったら良いのかも分からない。窓口が一つあるだけ、という感じであり、対応が困難になるのではないか。協会として注視して、しっかりものを言っていく必要がある」と返答した。
また、地区より「京都市の行政医が10年間で半減以上と急速に減少しているが、京都市はそれを補うつもりも、公募するつもりもないと明言している。医師はラインから離れてスタッフ職になるので、モチベーションも下がっている。はぐくみ局一本化で、京都市の保健医療行政自体がかなり危なくなるのではないか」「医療関係の権限を持って担当する部署が縮小するのは問題がある」との意見が出された。
これに対して協会は「辞職を考えている保健センターの医師もいる。市役所に集められて、現場から離れた仕事になってしまうと、ますますモチベーションが下がってしまうのではないか。京都市は、お金のかかるところの人件費を減らして財政を縮小していくという発想しかないのが問題だ。本当は各保健センターの窓口に医師が1人ずついて、医師が主体となって衛生業務を担ってもらう方が、京都市にとっては良いはずだ。しっかり分析して、京都市に提言、改善要求していく必要がある」と返答した。
注1:Omics情報を駆使して、疾患の予防、診断、治療、予後の質を向上することを目指す医科学研究の名称
注2:厚労省資料によれば、14年9月分で、遠隔画像診断の導入病院数は1335機関、同診療所数は1798機関、遠隔病理診断の導入病院数は226機関、同診療所数は808機関、遠隔在宅診療・療養支援の導入病院数は18機関、同診療所は544機関であった
注3:保団連による厚労省交渉時の発言より。なお、電話再診では薬剤を郵送することは認められていない

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