綴喜医師会と懇談  PDF

2月4日 新田辺駅前CIKビル

僻地医療には大胆な政策が必要

協会は、綴喜医師会との懇談会を2月4日、新田辺駅前CIKビルで開催。地区から9人、協会から5人が出席。綴喜医師会の河村宏副会長の司会で進められた。
冒頭、芳野二郎会長は、国外ではトランプ米大統領のツイッターでの発言がいろいろと物議を醸している。一方、国内では、2017年度一般会計予算案約97兆円の内、約34兆円が社会保障費を占めており、その大半を赤字国債で賄うとのことだ。今後、消費税10%への増税も控えていることも考えると、日本経済の行く末が非常に懸念される。さらに地域医療構想においても、山城北・南ともわずかに病床が増えるが、多くの患者を在宅で診なければならない。特に、山城北では現在の約1・9倍の患者を在宅で支えなければいけないなど、問題山積であるとあいさつされた。その後、垣田理事長のあいさつ、協会から情報提供の後、「2018年度に予定される医療大転換」にどう対抗するかという協会からのテーマについて意見交換を行った。
地区からは、まず総合診療専門医について教育システムと指導医について質問が出された。協会からは、大病院が新専門医制度に向けて地方の中小病院等で勤務する医師を指導医として引き揚げないと研修に対応できない状況等に窮し、一旦、延期した経緯がある。医師育成の在り方と医療提供との間に齟齬をきたしている現状が明らかになった。現時点では、総合診療専門医の教育は開業医が担うという話もあるが、プログラムなど詳細は不明であると述べた。また、地区から日本専門医機構は地域ごとに専門医数を制限するという方針を打ち出しているが、いったん、専門医資格を取得した地域を離れる際には、専門医資格がはく奪されるのか。結局は、大都市に専門医が集まり、地方では専門医不足が生じるのではないか。国はどのように考えているのかと疑問を呈された。協会からは、専門医数の地域ごとの上限設定は、国の医師管理との関わりで大きな問題になると思うと見解を述べた。
さらに、地区からは僻地医療の問題について、若い医師は子弟の教育問題をはじめ僻地に赴任するためにはさまざまな障壁がある。いろいろと問題はあったがそれなりに僻地医療に貢献していた医局制度が廃止され、有効な手段が見い出せないことを考慮すると、一定期間僻地での勤務経験を医師免許交付の条件にするような思い切ったシステムを導入するか、それが無理ならば、海外の医師で賄うぐらいの覚悟がないとこの問題は解消しないのではないかとの意見が出された。
協会からは、本来なら自治医科大学がその役割を担うはずだが、現実には解決の手段となっていない。日本は「職業選択の自由」があるので制限を加えても、法的にどこまでできるかは悩ましいところだ。医療を担う開業医からも声を上げていかなければならないと述べた。その他にも、「かかりつけ医」制度や高齢者医療の在り方等について意見交換を行った。
最後に、森岡稔勝副会長が、まとめていただいた資料やデータは今後地域での活動に活かしていきたい。我々も協会の理事に負けないように、地域で頑張っていきたいと締めくくられた。

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