医界寸評  PDF

森友学園と財務省の間で結ばれた国有地売却契約が国会を揺るがしている。次々と明るみに出される学園の所行は、とても容認しがたいものである。しかし、安倍首相は昭恵夫人を擁護し、ムキになって反論答弁をしている。事実関係のきっちりとした解明を望みたい▼つい最近、小生も契約にまつわる不愉快な事案に遭遇した。関係する社会福祉法人運営の高齢者福祉施設が建っている土地の地代を、開設後5年以上経過してから突然請求されたのである。貸し主の市いわく「規定ではこの額になりますが、施設の公共性から数十分の一に減額しています」▼そこは過疎で廃校となった小学校跡地。当時の市幹部から、高齢者保健福祉計画に則った施設開設を打診(事実上の依頼)され、40年間無償貸与、その後も1年毎自動更新との条件を提示された物件である。もちろん当時の市長公印が押された契約書も存在する。呆れ果てて、担当部署の上司に問いただすと、「そんな報告は受けていない。契約を反古になどできない」と▼後日、請求しに来た当人からの取り下げと詫びの言葉があったが、責任者による経緯の説明はいまだ受けていない▼「医療行為において、医者と患者さんの間には書面の無い契約が存在する」と何度も聞かされてきた。「契約」の重みを再確認するよい経験にはなったが…。(呑鉄童)

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