新規開業予定者のための講習会開く  PDF

新規開業のための秘訣を解説

 協会は、新規開業を考えている勤務医を対象に「新規開業予定者のための講習会」を9月25日に開催した。共催は有限会社アミス。第1講目の「開業を成功に導くための秘訣〜押さえておくべきポイント〜」を廣井増生税理士事務所の廣井増生氏、第2講目の「患者から選ばれる医院リフォームセミナー〜確かな提案と設計で作り上げた医院リフォーム実例の紹介〜」を三井ホームの冨井保子氏、第3講目は、いけぶちクリニック院長の池淵嘉一郎氏より先輩開業医からのアドバイスとして開業時の経験談を話していただいた。

開業ビジョンをしっかり持って

 廣井氏は、成功する秘訣として、開業する目的をしっかり持つことが大事であり、その目的が医療機関の全てを決めていくことになる。また、少しでも開業への迷いがある中での開業は失敗すると、開業する決断の大切さを述べた。その他にも、立地選定時の注意点や様々な開業形態、開業までのスケジュールを詳しく説明し、開業準備期間は親身になってバックアップしてくれる方の人選が最大のポイントとなると強調した。
 冨井氏は、医院設計のポイントとして、患者さんの動線と医院スタッフの動線が交差しないこと、先生やスタッフが最短距離で移動できるなどの院内の動線計画が最重要。また、医院のIT化に対するLAN配線の計画やきめ細やかなバリアフリー対策も必須条件とし、実際のリフォーム事例をもとに紹介した。

患者視点が大事とアドバイス

 池淵氏は、クリニックを開業して、軌道に乗せるためには開業地選定が最重要であると述べ、開業地は後から変えることができないので、開業地選定には時間をかけて決めた方がよいとアドバイスした。
 また、開業の候補地は最初は自力で探すことも大事であり、自分が苦労して何カ所か回ることで、良い物件と悪い物件がわかるようになってくる。コンサルタントの選定については、開業後も付き合っていけるような人を選ぶことが大事。開業地選定のイメージは結婚であり、よく考えて、決めたら突き進む。出会いとタイミング、そして勢いが大切と述べた。開業準備にあたっては、開業セミナーでイメージを作り、開業された先輩から話を聞いて具体例を見て、コンサルタントに相談して作り上げるのがよい。
 クリニックの盛業のポイントは、やはり医師自身と口コミが重要。その他にも近隣の競合施設の評判や人の流れ、車の流れ、そして何よりも患者の視点に立つことが大事であるとアドバイスした。診療圏調査については、あくまでも参考程度にして、それより実際に自分の足で歩いて調査し、その土地周辺の方と接することでわかることもあると語った。
 最後に、経営部会の北村理事より地区医師会への入会および協会共済制度について説明した後、参加者からの個々の質問等に対応し、講習会を終了した。

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