私の趣味 マチュピチュの迫力に感嘆した南米への旅 石原 由理(宇治久世)  PDF

最近、世界遺産、世界の絶景などがちょっとしたブームになり、そこを訪れるツアーも様々な形で組まれ簡単に参加できるようになった。おまかせツアーから個人旅行まで色々である。当然、旅行好きな私は、世界ナントカ遺産、国立公園などの言葉にすぐ反応し、行ってみたくなる。その場所を歩き、国の雰囲気を感じたいので基本は自由旅行をする。しかし、絶景とか遺産となる場所は交通手段が少ないところもあり、何らかのツアーを使うことになる。時間に余裕があれば現地で探すことも可能だが、かなわず少し残念に思う。
以前は街歩きや美術館を巡るおしゃれな旅行を目指していたが、近ごろは指向がワイルドな場所へ向き、辺境への旅になっている。砂漠横断、峠越え、四輪駆動で走破など魅力的なのだ。少し前から、アンデス山脈の紫色をもう一度見てみたいと思い、しばらくは心に封印していた南米への旅心を解いた。群青の空、真っ白の雲、どこまでも続く平原、夕焼けの空と紫色に染まる山々、想いはすでに飛んでいる。南米に行くと決めたのだ。
今回はぺルーへ。期待通り標高が高くなるにつれ、アンデス山脈は青く見え、どこまでも連なる。3800m近くでは低木が目立ち、山肌が橙から茶色にみえる。山々は蒼く、うす緑の平原、やっと来た…。
冷却された山の空気を感じ、そこに立って再度実感した。来たぞ、アンデス。暫し空気を感じていよう。時々、リャマやアルパカの群れ、つば広帽子の人々が見える。大統領選挙が近いこともあり、候補者名が書かれた壁が目立つ。広大な平原をバスは走り抜けていく。そして、憧れのマチュピチュへも。謎に包まれた空中都市、山々の断崖絶壁を利用した段々畑、すき間なく組み上げた石壁、石組の建築技術は現在の技術では再現できず、上空から見た都市の輪郭はコンドルの形。岩山で覆い隠すように設計され、登山道からは全く見えない都市。謎だらけなのだ。間近に流れる雲を見ながらインカ文明の当時の勢いを想う。
大勢の人を魅了するマチュピチュ遺跡、凄いの一言。当時ふもとから徒歩で3泊4日。そこへ行く目的は何だったのか、想像はつきない。この空気、ワイナピチュの迫力、言葉がなかった。アンデスの雄大さに更に惹かれ、私の南米熱はしばらく続きそう。この地に来られたことを幸運に思い、感謝した。

澄み切ったアンデスの蒼い空77

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